【ソウル24日時事】1973年に韓国の民主化運動指導者だった金大中氏(前大統領)が東京で拉致された「金大中事件」の再調査を進めてきた情報機関・国家情報院の過去事件真実究明委員会は24日、事件が当時の中央情報部(KCIA、国情院の前身)主導による組織ぐるみの犯行だったと認定する報告書を公表した。韓国政府が同事件への政府機関の関与を公式に認めたのは初めて。
金大中事件は発生直後からKCIAの関与が疑われたが、73年と75年の2度にわたり、日韓両国政府間で政治決着が図られ、捜査を事実上終結した。報告書では、同委員会の意見として、韓国政府が金氏に公式謝罪する必要性を提起するとともに、韓国の公権力が日本国内で拉致を実行したことに遺憾の意を表明した。
[時事通信社]