資料4 |
長谷川委員提出資料
発表
日 | 2006年3月27日15時- | |
於 | 厚労省 |
医師労働環境の現状と課題
国立保健医療科学院
(旧国立医療病院管理研究所)
政策科学部長
長谷川 敏彦
(旧国立医療病院管理研究所)
政策科学部長
長谷川 敏彦
PART A
現状分析
現状分析
第1部
医師労働の現状
医師労働の現状
医師勤務時間
1週間、平均、常勤
1週間、平均、常勤
国立保健医療科学院 タイムスタディ
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病院医師勤務時間
1週間平均、年齢別、性別、常勤
1週間平均、年齢別、性別、常勤
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国立保健医療科学院 タイムスタディ
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病院医師勤務時間
1週間、年齢別、性別
1週間、年齢別、性別
国立保健医療科学院 タイムスタディ
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医師勤務時間比較
常勤と非常勤、男性と女性
常勤と非常勤、男性と女性
国立保健医療科学院 タイムスタディ
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病院医師の1週間当たり勤務時間(院内)
国立保健医療科学院 タイムスタディ
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病院医師の1週間当たり総勤務時間(院内外)
国立保健医療科学院 タイムスタディ
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総括
病院医師の労働時間の現状
1. | 総勤務時間(常勤医師)の平均時間は70時間を超える |
2. | 診療時間の平均は40時間で法定労働時間とほぼ同じ |
3. | 医師勤務時間には会議、教育、自己研修、研究等診療以外種々の形態を含む |
4. | 若年者ほど勤務時間は長い、差は主として入院診療で逆に会議等は高齢医師で増加する |
5. | 女性医師の勤務時間は男性とあまり変わらず常勤、非常勤共に95%である |
6. | 非常勤医の場合、院外での勤務時間が長く、両者の合計は常勤医の85%である |
結論
1. | 医師労働は複雑でどの範囲が勤務時間か定義は困難 「拘束時間」「総時間」「出勤帰宅時間」「診療時間」等 |
2. | 常勤、非常勤共に労働が院内外複数施設に及ぶ事が多い |
3. | 非常勤医師は労働構造は一般労働のパートタイム労働の様には単純では無い |
4. | 医師勤務時間は長く、特に病院医師の労働密度は診療所医師よりも濃厚 |
5. | 女性医師の勤務時間は比較的男性医師とほぼ同様 |
第2部
国際比較
国際比較
ヨーロッパ勤務時間
時系列、1週間
時系列、1週間
OECD報告書
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ヨーロッパ勤務時間
年齢階級別、1週間、独仏
年齢階級別、1週間、独仏
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OECD報告書
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英国との比較
日 | 英 |
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病院医師、常勤非常勤を含む | |
国立保健医療科学院 タイムスタディ、OECDデータ
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医師の労働生産性
医師一人当たり退院患者数国際比較
医師一人当たり退院患者数国際比較
各国政府統計資料、OECDデータベース
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外来負担と医師生産性
医師当たり外来患者数 各国政府統計資料、OECDデータベース2000頃
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他職種投入と医師生産性
看護師数急性期床当 (日本一般病院) |
総従業者病床当 |
各国政府統計資料、OECDデータベース2000頃
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医師労働の国際比較の結論
1. | 日本医師の勤務時間は欧州の医師に比して長い | ||||||
2. | 日本医師の生産性(年間退院患者/医師数)は欧州に比して低い | ||||||
3. | 医師当退院患者数が低い原因には3つの原因が想定される
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PART B
現場の状況
現場の状況
第2部
最近の動向
最近の動向
大学医局アンケート
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医療事故裁判マスコミ比較
5大紙に現れた記事1980-2005
5大紙に現れた記事1980-2005
医師の過重労働に関連記事(各年)
(日経・朝日・読売・毎日・産経)
(日経・朝日・読売・毎日・産経)
医師の開業・離職・退職関連記事
(日経・朝日・毎日・読売・産経)
(日経・朝日・毎日・読売・産経)
日経新聞2005年9月18日 |
第3部
緊急の課題
緊急の課題
病院で今、何が起きているか
事実 | 「急性期病院の40代の活動的な病院医師(内科外科中心)の開業がエピデミックのように拡がっている」
連携フィールド調査時の伝聞
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現状 | ・ここ10年間「インフォームド・コンセント」など診療行為以外の必要手続きや書類が増え、負担(感)が増えている。ここ5年「横浜市立事件」以降さらに拍車がかかり、「研修制度」以降2年悪化し、そしてこの半年ドミノ現象が! ・開業に将来展望があるように思えないものの、病院の現状に嫌気がさしているように見える ・院長に権限の無い病院、郡部の中規模公的病院に多発し、私的病院や長期療養型病院にはあまり認められない ・開業を助け、アドバイスする事業者がいる |
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展望 | ・これが予防できなければ日本全体の急性期病院の将来は危うい ・「金」「時間」「労働負担」「名誉」「専門家のやりがい」のバランスは何か |
病院医師数、診療科別2004
3師調査
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病院医師と年齢階級
病院医師と年齢階級
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3師調査
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年齢と役職
国立保健医療科学院 タイムスタディ
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歴史経緯 医療機能の分化強化の流れこの10年
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医療事故裁判マスコミ比較
1991-2003
1991-2003
訴訟件数 | 記事本数 |
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新受、最高裁判所調 |
全国紙5紙 |
インフォームドコンセント関連記事件数
(日経・読売・朝日・毎日・産経)
(日経・読売・朝日・毎日・産経)
総括
医師労働の最近の現状
1. | 近年急性期病院の医師に負担がかかっており、ここ数年負担が急増 |
2. | 急性期病院の若年医師(40歳前半)の離職が加速している可能性 |
3. | 原因として国民の医療への期待と医療そのものの複雑化に病院の経営がうまく対応していない可能性 |
PART C
今後の展望
今後の展望
第1部
供給推計
供給推計
国レベル需給モデル要因
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医師 男女別卒後就労先
1996-2004登録 医師コホートより
1996-2004登録 医師コホートより
医師将来推計ー病院、診療所
医師数将来推計、年齢別
未来予測
病院医師 |
診療所医師 |
供給推計(臨床従事者のみ)
医学部定員増 0%、10%、20%
医学部定員増 0%、10%、20%
全人口当医師数
全人口当と25歳コホート当
全人口当と25歳コホート当
医師供給の推計
1. | 今後増加するのは高齢医師、診療所医師が主である |
2. | 医学部定員を来年から増やしても実質的な医師数増は2030頃まで期待できない |
3. | 今後の少子化の影響により各世代出生率が低下しており、世代ごとの医師数は増加傾向なので医学部定員増加には慎重であるべき |
4. | 当面、現状の手持ちの総医師数の中で病院医師数の確保と生産性の向上が急務である |
第2部
需要動向
需要動向
外来患者数 推移
全患者数 |
医師1人当 |
3師調査・医療施設調査・患者調査より推計
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前回診療日からの平均日数
主病名、前回診療日からの日数31日以上含む
主病名、前回診療日からの日数31日以上含む
患者調査
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需要推移
全患者数 | 病院医師1人当 |
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3師調査・医療施設調査・患者調査より推計
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年齢階級別退院回数
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患者調査
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手術入院数時系列変化
患者調査1984-2002、老齢人口、年齢別
患者調査1984-2002、老齢人口、年齢別
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需要の経緯と将来
1. | 外来は最近、診療間隔の延長や自己負担の増加により減少している。 |
2. | 入院は増加しているが医師も増加し医師あたり入院(退院)は僅かに増加を見ている。しかし患者の高齢化や手術増により重症度は増加している |
3. | 今後外来は柔軟に対応が可能と考えられるが、団塊の世代の高齢化により入院は負担が増えると考えられる |
4. | 当面、病院医師の確保が急務である |
第3部
提言
提言
病院外来から診療所外来へ
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医師労働時間
病院
病院
国立保健医療科学院 タイムスタディ
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医療システム全体
供給 | 医師数増 | 休眠医師発掘 女性医師労働支援 |
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効率向上 | 他職種への移行(スキルミックス) 病診役割分担と連携強化 |
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需要 | 全般 | 予防強化 医療標準化推進(EBM、ガイドライン) 卒後臨床教育強化 |
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外来 | 受診間隔延長 | |||
入院 | 入院適応厳密化 手術適応厳密化 |
病院医師・医療の確保
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