断層観測「満点計画」GO! 京大防災研が集中観測2007年10月23日17時00分 小型地震計を1キロ未満の間隔で張り巡らし、地震の震源断層など地下構造をくっきり明らかにする――。こんな計画を京都大防災研究所地震予知研究センターと計器メーカーが進めている。名付けて「満点(万点)計画」。24日から仙台市で開かれる日本地震学会で発表、地震計の試作機を展示する。 地震波を多数の点で観測すると、地震波の伝わる速さや反射の様子から地下構造を探ることができる。X線コンピューター断層撮影で体の中を見るのと似た仕組みだ。その精度は地震計の数に左右される。 阪神大震災後に整備された全国の観測網は20〜30キロに1点。大地震があると大学などが臨時に地震計を設置して集中観測するが、それでも20〜30キロ四方に100点程度で2〜3キロに1点ほどだ。満点計画では同じ範囲の地震計を1千〜1万点に増やし、間隔を1キロ未満に縮めることを目指す。 開発中の地震計は携帯オーディオプレーヤーなどの大記録容量、低消費電力の技術を応用。通信機能はあえて載せず、バッテリー駆動で半年間置いたままにする。弁当箱二つ分ほどの大きさにでき、ミカン箱ほどの大きさの従来品に比べコストは5分の1という。 地下構造の研究は、断層の破壊がどこからどう進むかを考え、被害を想定する基礎になる。大地震が起きた後の集中観測や、内陸型地震の研究に活用する。 防災研の飯尾能久教授は「持ち運びが楽で、電源不要なので観測に適した静かな場所に置ける。(新潟県中越沖地震で注目された)ひずみ集中帯の研究にまずは使いたい」という。 PR情報サイエンス
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