ニュース米大手ISP、「P2Pトラフィック遮断」報道に反論米大手ISPのComcastがP2Pサービスへのアップロードを遮断していると報じられたが、「制限はしているが遮断はしていない」と反論した。(ロイター)2007年10月23日 13時38分 更新
米Comcastは10月22日、BitTorrentなどのP2Pネットワーク経由のファイル転送が帯域管理技術によって遅延する可能性があることを明らかにした。ただし、特定のアプリケーションやコンテンツへのアクセスを遮断することはないとしている。 110万人の加入者を持つ米国第2位のブロードバンドISPのComcastが、自社のネットワークで特定の種類のコンテンツを優遇あるいは遮断したら、「ネットの中立性」を損なうとして物議を醸すだろう。 ネットの中立性とは、ISPのネットワーク上を流れるすべてのコンテンツを平等に扱うという原則。法律ではないが、ISPがユーザーへのコンテンツ配信に優先順位を付けて料金を課すようになるのではないかと懸念している圧力団体や企業から幅広く支持されている。 AP通信は週末に、全米で実験を行った結果、ComcastがBitTorrentなどのP2Pネットワークの一部ユーザーのアップロードを阻止していることが示されたと報じた。 この種のネットワークは、映画やビデオ、写真など容量の大きなファイルを共有するのに利用されている。 Comcastは22日に声明文を発行し、自社ネットワークを流れるコンテンツの種類を規制しているとの見方に反論した。だが、加入者にできるだけ最善の体験を提供するために帯域を管理していることは明らかにした。 「ComcastはBitTorrentなどのP2Pサービスも含め、どのWebサイト、どのアプリケーションへのアクセスも遮断していない」(同社) Comcastは、同社のインターネットアクセスサービスではP2Pサービスなどを介したデジタルファイルの転送や、Vonageなどのインターネット電話を、妨害なしで通していると語る。 だが、同社は帯域管理技術によって、P2Pサービスが減速する可能性があることを認めた。これは業界で「帯域シェーピング」と呼ばれる手法の一環で、標的を絞って配信経路に制約をかけるというもの。これは配信を遅らせる可能性があるが、遮断はしない。 例えば、この技術では映画のダウンロードよりも電話の通話を優先させることが可能だ。 「当社にはすべての顧客に優れたインターネット体験を提供する責任があり、最新技術を使ってネットワークを管理し、顧客がこれらのアプリケーションを利用し続けられるようにしている」とComcastの声明文には記されている。 同社は。自社ネットワーク上で特定のコンテンツやデータを優遇していないと繰り返し否定した。 この数週間、ユーザーはさまざまなブログで、同社がBitTorrentへのアップロードを遮断したと非難している。 ISP向けネットワークインテリジェントソフトを提供するNarusは、比較的少数のP2Pユーザーが映画などの大容量ファイルを交換し、不適切な量の帯域を占有しており、ISPには特定のネットワーク利用を制限する以外にほとんど選択肢が残されていないと語る。 一部のISPでは、帯域の最大60%をP2Pネットワークが使っていると、Narusのマーケティング・製品管理責任者スティーブ・バーマン氏は言う。同社はAT&TなどのISPにソフトを提供しているが、Comcastは同社の顧客ではない。 「米ISPは、この種のアプリケーションの利用を妨げてはいないが、一部のP2Pユーザーが帯域を使い尽くしてほかのユーザーの接続を遅くすることは防止している」(同氏) 関連記事[ニューヨーク 22日 ロイター] copyright (c) 2007 ロイター・ジャパン(株) All rights reserved. (翻訳責任について) (著作権、商標について) 商標: Reutersおよび地球をデザインしたマークは、全世界でロイター・グループの登録商標または商標となっています。 新着記事
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