10月13日、東京・杉並会館で日本アニメーター・演出協会(Japan Animation Creators Association: JAniCA)の設立発表と設立記者会見が行われた。
日本アニメーター・演出協会は、日本の2Dアニメーションのアニメーターと演出家の同業者団体である。アニメ制作の同業者団体として、アニメ制作者の環境の改善、アニメ制作の技術の伝承や教育、制作者同士の交流の場など目指す。

戦後長く続く日本のアニメ産業だが、会社や様々な立場を超えアニメ制作者の団体が本格的に立ち上がったのは今回が初めとなる。設立発表会には会長に就任した芦田豊雄氏や、発起人となったアニメーターが数多く参加した。
実際に壇上の発起人そして会場には、日本を代表するアニメーターや演出家が数多くみられ、JAniCAの設立が大きな期待を背負っていることを感じさせた。また、大手新聞社を筆頭に記者会見の取材陣も非常に数が多く、アニメ制作とそれを支えるクリエイターに対する社会の関心の高さも示していた。
設立発表ではまず芦田会長が、日本のアニメが駄目になると言われているが、それを止めるためと設立の目的を述べた。
そのうえでアニメーターと演出家の厳しい現状にふれ、アニメの劣化とは作画や演出の劣化、その部分を良くしなければアニメ全体が良くならないと協会の趣旨を説明する。
さらに発起人を代表して挨拶にたった今敏氏は「いまアニメの制作はとても厳しい状態、このなかで悲鳴を上げる団体が出来たことが良かった」とし、谷口守泰氏は「金銭的な面からアニメの世界に入る人が減っている。その狭き門を広くしたい」と述べた。
アニメーター以外でも、JAniCA応援団として浜野保樹東京大学大学院教授が、「黒沢明亡き後、世界で語れる日本の映像はアニメ文化。そのアニメ文化を守るために応援をして行きたい」と述べた。
また、応援団長のスタジオハードデラックスの高橋信之氏は、アニメ制作者のための社会保険など福利厚生の充実を目指すべきと語った。
アニメーターや演出家の環境改善というと組合活動的なものを想像しがちになる。しかし、芦田会長はアニメ製作からの収益配分の問題が存在することを認める一方で、労働組合的な運動は自分たちに似合わないし、出来ないという。
国やテレビ局、代理店なども含めたあらゆる組織とのパートナーシップを念頭に置いて、日本のアニメをどうやって守るのか、良くして行くのか目指すとしている。
JAniCAは現段階では具体的な行動プランは少ないが、まずは長く続けること、そして自立出来る体制を目指す。そのうえで、協会の活動と目的を広げていく予定である。
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日本アニメーター・演出協会
(Japan Animation Creators Association: JAniCA)
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