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県内被差別部落の歴史を詳述した初の通史「神奈川の部落史」を刊行
- 社会
- 2007/10/23
神奈川の被差別部落の歴史をまとめた「神奈川の部落史」(不二出版)写真が刊行された。鶴岡八幡宮の例大祭で行列の先頭に立ってけがれを清める任務に就くなど、社会的に重要な役割を果たしていた被差別部落の人々の暮らしを鎌倉時代にさかのぼって詳述。戦前、国内の広範な地域で差別糾弾闘争に取り組んだ水平社運動が組織されなかった県内で、水平社に代わり活発に活動した融和団体「青和会」の歴史的意義なども解き明かしている。
編集委員会代表で、富山国際大の藤野豊准教授によると、神奈川の被差別部落に関する通史がまとめられたのは初めてといい、「長年の研究の蓄積が実った。神奈川にも部落差別があることを本書を通して知ってほしい」と訴えている。
麻糸を生産していた高部屋村(現伊勢原市)の被差別部落内の工場の資料を基に、被差別部落の人々の生活環境を分析するなど、本書で初めて明らかにされた史実も多数ある。
発刊記念シンポジウムが十八日、横浜市中区のかながわ労働プラザで開かれ、執筆者の一人で東日本部落解放研究所の藤沢靖介事務局長は「本書を素材に、県内でさらに研究が深まることを願っている」と述べた。
編集委では教育現場などでの活用を呼び掛けている。A5判、二百二十八ページで千八百九十円。最寄りの書店で購入できる。問い合わせは、不二出版電話03(3812)4433。
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