2007年10月23日 更新

渡辺球団会長、大激怒!ミス連発にベンチ&フロント批判止まらず

 巨人・渡辺恒雄球団会長(81)は22日、都内のホテルで、クライマックスシリーズ(CS)第2ステージで3連敗したチームの敗因に言及。制度自体を批判したほか、ベンチの作戦ミスや来季に向けての大型補強の必要性を力強く説いた。

 やはり、怒っていた。5年ぶりのリーグ優勝を果たしながら、落合竜に3連敗を喫したチームに渡辺会長が大激怒だ。

 「負けるべくして負けたんだ。いい教訓じゃねえか。これを教訓にして反省して来年に生かさないようなら、巨人もおしまいだな」

 真っ赤な顔をした会長は敗因を3つ挙げた。

 (1)【CS制度】

 「リーグ優勝が何の意味もない。オレがオーナーを辞めたら、くだらん制度を作った」

 巨人は10月3日の最終戦以降、CS第2ステージ開幕まで、約2週間のブランクがあった。本番ではミスを繰り返し、実戦感覚を最後まで取り戻すことができなかった。

 (2)【ベンチワークの差】

 「作戦ミスが3日続けば負けるんだよ。落合の方が頭よかったんじゃないか。作戦負けだ」

 初戦の中日先発は想定外の左腕・小笠原。読み違えた首脳陣はメンバー交換の直後にあたふた。2戦目には投手の川上にバスターを決められるなど、おもしろいように中日の作戦が当たった。

 (3)【助っ人の差】

 「補強は当たり前だよ。こんなバカな状況で補強せずにいられるか。全部間違っている」

 3試合で2本塁打5打点の中日・ウッズに対し、巨人の4番・李承ヨプは打点なし。この日、帰国したパウエルらも含め助っ人のチームへの貢献度は歴然としていた。

 チームを愛するがゆえの渡辺会長の苦言。ベンチ批判、フロント批判まで飛び出した。球団トップの大号令の下、尻に火がついた原巨人が日本一奪回を目指す来季へ動き出す。

(桜木理)

★渡辺球団会長に聞く

−−クライマックスシリーズの敗因は

 「敗軍の将、兵を語らず。(負けを)喜んでいるやつがいるかよ」

−−新システムについては

 「制度がよくない。リーグ優勝が何の意味もない。だってオレがオーナーのときは、絶対反対していた。オレがオーナーを辞めたら誰がどうしたか知らねえが、くだらん制度を作った。もうしようがねえや。作った以上は。悪びれたってしようがねえよ」

−−3連敗するとは

 「思わないよ。作戦ミスが3日続けば負けるんだよ」

−ベンチワークの違いで負けた

 「それもある。あいつがしっかりしているんだよ。落合(監督)が。落合の方が、頭よかったんじゃないか。作戦負けだよ」

−−来季に向けて

 「来年はペナントもクライマックスも日本シリーズも勝ち抜く。そのためには、何をしてもいい」

−−勝ち抜くためには

 「補強は当たり前だよ。こんなバカな状況で、補強せずにいられるか。ろくな外国人もいねえでさ。全部間違っている。オレは十何年も言い続けてきた。クロマティ、ちょっと(よかったのは)ローズとペタジーニ。他は全部、失敗しているじゃねえか。それが分からねえ、フロントがどうかしてるわな。だから、負けるべくして負けたんだ。いい教訓じゃねえか。これを教訓にして反省して、来年に生かさねえようなら、巨人はおしまいだな。だけど(巨人が)おしまいになるなら、野球が全部つぶれるから」

★パウエルら3助っ人帰国

 巨人のジェレミー・パウエル投手(31)、ルイス・ゴンザレス内野手(28)、デーモン・ホリンズ外野手(33)が22日、いずれも成田発米国行きの航空便で帰国した。

 ローテの柱に期待されていたパウエルは3月に右ひざ半月板手術を受けた影響で、今季登板は7試合、0勝2敗。「5番・二塁」で開幕を迎えたゴンザレスも開幕戦で死球を受けた左手首の治療が長引き、25試合の出場に留まった。ホリンズは中堅の定位置をつかみ124試合に出場したが、1年通しての活躍はできなかった。

 球団は各選手と来季の契約について、まだ話し合いの場を設けていないが契約更新は微妙で、そのまま退団が濃厚。来日7年目で初めて未勝利に終わったパウエルは「7年間、日本でやってきたので愛着はあるが、家族が納得する場所でやることを一番に優先したい」と米球界への復帰を希望した。

★巨人・岸川コーチが一軍打撃コーチに昇格

 原巨人の“内閣改造”が始まった。内田順三打撃コーチ(60)、伊勢孝夫打撃コーチ補佐(62)の退任が22日、決定。2人はこの日、東京・大手町の球団事務所を訪れあいさつした。「若返りということでした。11年間やらせてもらってお世話になりました」と内田コーチ。伊勢コーチは球団フロント入りのオファーを受けたが「1カ月くらい考えて結論を出したい」と話した。

 後任には二軍の岸川勝也打撃コーチ(42)=写真上=の昇格が内定。さらに外部からの招へいなど人選を進めている。また、一軍の斎藤雅樹投手コーチ(42)と、二軍の香田勲男投手コーチ(42)=写真下=の入れ替えが内定した。