防衛省の守屋武昌・前事務次官(63)が、防衛専門商社「山田洋行」の元専務(69)と頻繁にゴルフをしていた問題で、石破茂防衛相は23日、ゴルフは次官在任中の昨年秋まで続き、元専務からマージャンや飲食の接待も受けていたことを明らかにした。また前次官は、出入り業者など利害関係者との付き合いを規制した自衛隊員倫理規程に違反していたという認識もあったという。さらに石破防衛相は、前次官に対し、退職金を自主的に返納するよう求める意向を示した。
同日午前の閣議後会見で、同省の調査概要として明らかにした。
調査に対し、守屋前次官は元専務からの接待について「昨年の秋までプレーをしていた記憶がある。回数については確認する材料がなくコメントできない。料金はプレーの度、元専務に1万円を渡すことになっていた」などと説明。プレー後に、マージャンや焼き肉など飲食接待が行われるケースもあったという。
このほか、来日した米国防総省や国務省高官と元専務との会食に守屋前次官が招待された際、食事代は元専務が負担していたという。
守屋前次官は「個人的な付き合いで、ゴルフ接待を受けることをやめられなかった。事務次官の職にある者として配慮を欠き、深く反省している」などと釈明しているという。
石破防衛相は「在任中に発覚しなかったからといって、退職金を受け取ったことは一般には納得できない」と退職金の返還を求める方針。接待が、石破防衛相が旧防衛庁長官在任中も継続していたことについて「把握できず結果責任があるが、よもや枢要な地位にある人がそのようなことをしているとは思いもしなかった。すごく悲しい」と話した。
守屋前次官は、元専務と約20年前に知り合い、家族ぐるみのつきあいだった。山田洋行の記録では、ゴルフは多いときに月4回、年間30回に及んだとされるが、前次官は毎日新聞の取材に「次官になってからはゴルフはしておらず、便宜を図ったこともない」と話していた。【本多健】
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国家公務員の退職手当の基準によると、一般的には、守屋前次官のように大卒後35年以上勤務し、事務次官を最後に退任した場合、退職金は7000万円から8000万円になる。
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