県は今年度中にも、県立3病院(中央、友部、こども)でクレジットカードを使った支払いができるようにする。患者サービス向上が目的で、現金の持ち合わせを気にすることなく気軽に利用できるようになる。カード決済は民間病院で導入が進んでいるが、県内の公立病院では初めて。
都道府県立病院では05年度に東京都が導入したのが最初。06年度には地方自治法の一部改正があり、公金のクレジットカード納付が正式に認められるようになり、他県でも同様に導入の動きが出始めている。
県病院局によると、県立中央病院で実施しているアンケートでは、患者のほぼ半数から「クレジットを利用できるようにしてほしい」という意見が寄せられているという。
同局は導入後数年以内に、県立3病院の合計収入101億円(06年度)の2~3割が、クレジット利用になると見込んでいる。
利用分に対して病院はクレジット会社への手数料支払いが発生し、1%前後としても数千万円規模の持ち出しとなるが、同局は「患者へのサービスの質を高めるためには必要なコストだ」と判断。一方で、支払いの利便性が上がることから、1億7800万円(今年7月現在)にも上る患者の治療費滞納の減少につながればとの期待もかけている。【若井耕司】
毎日新聞 2007年10月23日