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小児科:休日夜間診療の利用低迷 塩谷地区2カ所、周知不足が原因? /栃木

 ◇悩む郡市医師会

 小児科医の不足を受け、矢板市など塩谷地区の4市町と塩谷郡市医師会が06年度に始めた「休日夜間こども診療室」の患者数が低迷し、関係者が頭を抱えている。同制度は、休祝日の午後6時半~同9時半の間、小児科の時間外診療室を管内に2カ所開くもの。だが、患者数は各室で1日平均4・5人程度にとどまっている。同医師会は「とにかく予想外。制度が知れ渡っていないのか」と首をかしげている。【塙和也】

 同医師会の管内では、中核病院・塩谷総合病院の常勤小児科医が04年に1人だけとなり、夜間当直勤務を取りやめた。この事態を受けて矢板、さくらなど4市町の保健福祉担当者と同医師会が協議。06年度から休祝日の夜間に限り、黒須病院(さくら市)と塩谷総合病院(矢板市)に特別診療室を設置、郡市内の開業医など医師30人を交代で常駐させることを決めた。医師は小児科医に限らず、内科医や整形外科医が順番で受け持っている。

 ところが塩谷郡市医師会などによると、06年度の患者数は当初予想の800~900人を大きく下回る計665人にとどまった。他地域の時間外診療は、休日の昼間や平日夜間も実施し、こども診療室の患者数と単純に比較できないが、ある自治体の担当者は「都市部の時間外小児科診療は順番待ちが常識。管内では、丸1時間患者が来ない日もあり、協力医師からも不満が出かねない」と打ち明ける。同医師会の尾形直三郎会長も「大田原市などの大病院からは、もっと患者を矢板で引き取ってくれとの苦言が実際にある」と指摘している。

 患者数低迷の原因として塩谷郡市医師会は、▽地域住民への周知が不十分▽小児科医でない医師が当番に入っているため、小児科医が常駐する管外の大病院に患者が流出する▽平日夜間がなく、定着しない--などと考えている。

 「制度開始時に、患者が殺到するのを恐れて大きく告知をしなかったのがアダになったのかもしれない」と、自治体担当者は話す。今後、同医師会は地域住民向けのシンポジウムなどを通して、制度の周知を図る方針。

毎日新聞 2007年10月23日

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