NIKKEI NET 特集 スポーツから学ぶ経営戦略 勝利への執念 Desperate efforts to win 提供 富士通

「組織の中に“熱”はあるか」 サントリーラグビー部監督・清宮 克幸 氏 トップページへ1ページ目へ2ページ目へ
  清宮克幸氏は高校で本格的にラグビーを始めて3年時、高校日本代表の主将に選ばれ、その後、大学、社会人と第一線で活躍した。引退後、監督として早稲田大学を復活させたことが、強い印象を残している。現在、サントリー サンゴリアスのラグビー部監督である清宮氏に、勝つための組織作りについて聞いた。
―――ラグビーをはじめたきっかけは何でしょうか。
 子どもの頃からスポーツが好きで、野球やサッカーをしていました。当時は、テレビの青春ドラマで主人公がラグビーをやっていることが多くて、ラグビーは身近な存在でした。当時から体が大きくて運動神経は良く、中学校ではサッカーをやっていたのですが、サッカーでは自分の長所が生かせない気がしていました。サッカー部の監督やクラスの先生からも、「お前ラグビーやったら、ええ選手になるでえ」と言われてましたので高校ではラグビーをやろうと自然に思うようになり、ラグビーの強い高校に行こうと決めました。具体的な目標が見つかり、勉強にも身が入るようになりました。今思うと自分のポテンシャルを引き出したい、という意識が常に自分の中にあったのかも知れません。
―――そのラグビーが強い高校というのが茨田高校だったのですね。
 茨田高校は創立9年目の公立高校なのに、花園(全国高校ラグビー大会の会場)に2度出場していました。その学区に住んでいたのは、何かの縁なのかもしれませんね。
―――高校では一気にその才能が開花しましたね。
 大阪代表の先輩がたくさんいましたから、はじめは練習についていくのも大変でしたが、面白かったですよ。監督が、人をその気にさせるセンスがありました。体育の先生だったのですが、体育の授業中に「お前はナンバー8()や、お前はすごい選手になれるぞ」と囁いてくるんですよ。しかし、最初は3番(プロップ)をやらされました。でも、「いいナンバー8になるためには3番をやっとかないと。将来のために3番をやるんや」という風に乗せられるんです。
 1年生の9月の大会から、私は14番(ウイング)でレギュラーになりました。2年生で公約どおりナンバー8になり、オール大阪の代表メンバーにも選ばれ、国体に出ました。
 その頃から、監督に「お前は、ラグビーの名門・早稲田に行け」と言われるようになりました。私は、自分の人生を変えてくれた先生たちを尊敬していましたから、教員免許を取りたいと思っていました。教員免許が取れて、ラグビーが強い早稲田に進みました。
※ナンバー8:8人のフォワードの最後部で、チームの中心となるポジション。攻撃・守備の両面をコントロールする役割が求められ、キャプテンを務めることも多い。
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Column スポーツから学ぶ経営戦略 清宮克幸の視点1
いいナンバー8になるためには3番をやっとかないと。将来のために3番をやるんや
将来のためにさまざまな経験を積むことが役立った、と語る清宮氏。
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「組織の中に“熱”はあるか」 清宮 克幸 氏 (サントリーラグビー部監督)
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