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2007年10月23日

 やっと新テロ対策特措法案の審議が始まる。唐突だが、先ごろのボクシング内藤―亀田戦を連想する

テレビ中継が始まっても、一向にゴングは鳴らなかった。「世紀の一戦」をあおろうと、過去の映像やおしゃべりの前口上が延々と続き、しびれが切れた。インド洋「給油スタンド」対決も、期限切れ目前になってのゴングである

そう思ったら、前防衛次官の疑惑が浮上した。野党は徹底追及するという。リングに上がったが、セコンドに厄介な人物がいた。ただすべきをただすのは当然である。が、対案を出しての真っ向勝負のパンチの応酬は、いつのことになるのか、と案じられもする

確かなのは、海自の給油活動の中断である。士気の低下は免れまい。それでなくても、給油量訂正や航海日誌破棄など、わが防人(さきもり)集団には、規律のほころびが目立つ

国際協力の望ましい姿をめぐる大事な議論、と与野党は口をそろえる。実際は、双方とも党利党略を優先させ、ロープに逃げたり、相手にもたれ掛かったりして、正面切った打ち合いは避ける気配も漂う。それならば、亀田親子の大口と似たり寄ったりのように思えてしまう。


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