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女性騎手が調教師をセクハラ提訴

 名古屋競馬の山本茜騎手(24)が、今年5月まで所属していた厩舎の男性調教師(48)からセクハラを受け所属変更を余儀なくされたとして、約550万円の損害賠償を求める訴訟を名古屋地裁に起こしていたことが20日、分かった。調教師は今年1月、山本騎手を自宅に呼び「おれはお前に全部見せることができる」と全裸になり、「お前も包み隠さず見せてみろ」と服を脱ぐよう強要した。調教師は「腹を割って話すため」と話している。

 訴状などによると、山本騎手は03年6月にこの調教師に弟子入りしたが、不意に抱きつかれるなどの行為がたびたびあったという。今年1月10日ごろ、調教師は山本騎手を厩舎にある自宅に呼び「おれはお前に全部を見せることができる」と言いながら全裸になると「お前も包み隠さず見せてみろ」と服を脱ぐことを求めたという。

 山本騎手は3月7日、女性騎手としては最速のデビュー954戦目で通算100勝を達成。このときは調教師について「感謝している」と言葉少なに語っていたが、5月11日、調教師は「指示に従わない」として山本騎手との契約解除を発表した。以後、何度か話し合いが持たれたが、セクハラ行為について謝罪を求めた山本騎手に対し、調教師は一切謝ろうとしなかったという。

 山本騎手はセクハラ行為がもとで厩舎変更に追い込まれたとして、慰謝料など約550万円の損害賠償を求めている。現役の女性騎手は全国に14人。競馬関係者によると、女性騎手が調教師を相手に訴訟を起こすのは極めて異例。

 調教師は「すべては裁判で明らかにできる」と26日に開かれる第1回弁論で明らかにするとしながらも、全裸になったことについて「これまで山本と積み重ねてきた仕事の話の一部分。腹を割って話すために裸になることは必要だった」としている。また、酒を飲んだ後に裸になったことは認めたが、山本騎手に対する恋愛感情や性的興味は「全くない」と否定した。

 一方、山本騎手が現在、所属する厩舎の川西毅調教師(35)は「裸になって話すようなしきたりは名古屋にはない。謝罪していれば裁判は起こさなかった。山本はレースに専念して証人以外で裁判所に行くことはない」と話した。山本騎手は川西毅厩舎を通じて「ファンや関係者に迷惑や心配をかけると思って悩んだが、提訴することにした」とコメントを出した。

 名古屋競馬では「民事裁判で個人的な問題でもあるので、事実関係がつかめていない。情報収集しているが、現段階ではコメントできる状態にない」と困惑している。

[2007年10月21日8時39分 紙面から]

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