ドームやきものワールド
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【社会】製薬会社が367人分把握 薬害肝炎、197人実名2007年10月23日 朝刊 薬害肝炎の原因になった血液製剤フィブリノゲンを投与後にC型肝炎を発症した四百十八人に対し、厚生労働省と製薬会社が事実関係を伝えていなかった問題で、フィブリノゲンの製造元だった旧ミドリ十字を継承した旧三菱ウェルファーマ(現田辺三菱製薬)が、計三百六十七人の実名やイニシャルなどを把握していたことが、分かった。実名が分かるのは百九十七人で、このうち四十人には住所の記載もあった。田辺三菱製薬が二十二日、厚労省に報告した。 同社が保有していた情報の約88%が患者個人の特定につながる可能性があったと判明し、本人への通知をする努力をしてこなかった企業側への批判も高まりそうだ。同社は、社内に調査チームを立ち上げた。 二十二日午前、厚労省が公表した実名の把握数は二人。実名の把握状況が同社と厚労省で異なることについて、同社側は「五年前からあらゆる資料を厚生当局と共有している」と説明。しかし舛添要一厚労相は「二名と百九十七名というのは乖離(かいり)があまりに大きい。担当者は不眠不休で一生懸命捜したが、見つからなかった。製薬会社が報告していなかったと理解している」とした。 舛添厚労相は同日午後、省内で同社の葉山夏樹社長と面会し「一人でも多くの方に検診を受けていただきたい」と一覧表に掲載された患者への通知を要請。葉山社長は「プライバシーに配慮しながら、誠実に、迅速に対応したい」と述べた。 舛添厚労相は「当時の対応は不十分だったという問題意識があるので、一生懸命調査させている」と強調したが、大臣との面会後に記者会見した田辺三菱製薬の小峰健嗣副社長は「患者さんに対するこれまでの働きかけは最善だった」と述べ、認識の隔たりを示した。
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