ここから本文エリア 知事「西飛行場は不要」2007年10月18日
県管理の小型機・コミューター専用空港、広島西飛行場(広島市西区)について藤田雄山知事は17日の定例会見で、「必要としていない」と話した。同飛行場からの定期路線は鹿児島、宮崎の4便にすぎず、滑走路の短縮を伴う広島南道路の架橋建設も今年、都市計画決定された。県は年額約5億円の赤字も理由に空港機能を抜本的に見直したい考えだが、広島市は東京便の復活に望みをつないでおり、両者の「温度差」は顕著になっている。(福家司) 藤田知事は「県としては、西飛行場そのものをもはや必要としていないと思う」と述べた。一方で「広島市をはじめ、(東京便の復活など)いろんな議論があることは承知しているので、よく伺いながら、さらに詰めてまいりたい」と述べた。 県空港振興室によると、西飛行場の昨年の利用客は2路線合わせて約6万1千人と、02年をピークに2分の1以下に減少。また、11年春に迫った九州新幹線の全通により、直通運転となる広島―鹿児島間は大幅に時間短縮される予定で、鹿児島線の存続も微妙な状況だ。 加えて、広島南道路の太田川放水路に橋が架かれば、現在1800メートルの滑走路の北端の約400メートル短縮が必要となり、ジェット機の就航は難しくなる。県は国土交通省との協議を経て、09年度に工事に入りたいとしている。 県は広島市と折半して、年間約5億5千万円の維持管理費を負担している。収入は着陸料や駐機料で年間5千万円ほどのため、差し引き約5億円の赤字。現在の広島空港の移転に伴い、93年に西飛行場として再出発して以来の累積赤字は100億円以上としている。さらに、今後10年以内に、老朽化したターミナルビルや滑走路の改修などに40億〜50億円の経費がかかるという。 一方、広島市の秋葉忠利市長は先月18日の会見で「(10年に供用が予定される羽田空港の)第4滑走路の発着枠がとれれば、それなりの採算性もでてくる、利用者もいるという試算がある」として、引き続き東京便の復活を目指す方針を示した。さらに「西飛行場は全国11カ所の被災地外広域搬送拠点の一つにもなるなど、広域的な防災の役割を担っている」と強調した。 市都市交通部の右近元昭・空港担当部長は「東京便は100人程度のジェット機を念頭に、航空各社へ意向調査を実施している。復活できるなら、市として滑走路の沖出しなどを検討しなければならないだろう」としている。 マイタウン広島
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