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小泉内閣メールマガジン 第90号 =========================== 2003/04/10

★☆ おんらいん読者感想 ☆★
  ※メールマガジンの登録者が対象です(4月13日まで)
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□ 目次

[らいおんはーと 〜 小泉総理のメッセージ]
● 君子豹変

[大臣のほんねとーく]
● 規制緩和と公平な競争の確保は車の両輪
  (行政改革担当/規制改革担当大臣 石原伸晃)

[特別寄稿]
● 就任挨拶(農林水産大臣 亀井善之)
● 電線類地中化への取組について(内閣官房副長官 上野公成)

[小泉内閣の動き]
● 「女性のチャレンジ支援策」の手交(03/04/08)
● 日・ベトナム首脳会談(03/04/07)

[観光カリスマ百選]
● 日本的な暮らしを表現した癒しと憩いの町「おかげ横丁」
  (三重県伊勢市)

[キーワード解説]
● SARS

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[らいおんはーと 〜 小泉総理のメッセージ]
小泉総理大臣プロフィール
● 君子豹変

 小泉純一郎です。

 入学や就職の季節を迎えました。新しいランドセルを背負い、元気に歩く
一年生、新しい学生服に身をつつむ中・高校生、初めて親元を離れ生活をは
じめる大学生や真新しいスーツ姿で緊張気味な新社会人など、この季節にな
ると、新鮮なエネルギーに満ちています。

 先日、この4月に国家公務員になったばかりの諸君の前で、あいさつをし
ました。

 「いかなる行政施策も国民の信頼なくしては効果を上げることができませ
ん。与えられた待遇や権限に安住することなく、国民の声なき声に自ら耳を
傾ける謙虚さが常に重要であります。」と訓示しました。

 「いずれの役所も、自ら変革しようという意欲に乏しいといわざるを得ま
せん。『省あって国なし』などと批判を受けることが多い霞ヶ関の旧弊を、
諸君の一人ひとりが打破し、行政に新たな活力を吹き込む新しい原動力とな
っていただくことを期待してます。」とも訴えました。

 中国に「君子は豹変する。」という古い言葉があります。「急に態度を変
える。」という少し悪い意味で使われることが多いようですが、調べてみる
と、本来の意味は「立派な人物は日々見違えるように成長する。」というこ
とでした。

 新人公務員に対し「変化に臆したり、改革に躊躇することなく、自らの考
えにしたがい、大いに『豹変』してもらいたい。」と伝えましたが、公務員
にかぎらず日本中の若者に「君子豹変」していただきたいと思っています。

 イラク状勢は日々変化しています。一日も早い終結を望みます。戦後のイ
ラク復興については、国連を中心に、国際社会が協調して人道支援、復興支
援に取り組まなければならないと考えています。日本は、その中で責任ある
対応をしていきたいと思います。

 アジアを中心に、新型肺炎、SARS(重症急性呼吸器症候群)の感染が
拡大しています。香港と中国広東省への渡航を控えるなど注意を喚起しまし
た。今のところ国内で患者は出ていませんが、万一患者が発生した場合でも、
まん延防止に万全の態勢を整えています。

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[大臣のほんねとーく]
石原行政改革担当/規制改革担当大臣プロフィール
● 規制緩和と公平な競争の確保は車の両輪
  (行政改革担当/規制改革担当大臣 石原伸晃)

 先日、行革先進国として名高いニュージーランドに行ってきました。ニュ
ージーランドではさまざまな国営企業が既に民営化され、民間企業と競い合
っています。そこでのキーワードは『公平』。国営企業であろうと、『元』
国営企業であろうと、民間企業と同じ税金を払い、同じ条件で競争していま
す。それを監視しているのが、日本における公正取引委員会にあたる組織で
す。この委員会はたとえ国営企業であっても、不公正な競争を行った組織に
は巨額の罰金を課すなどして、公正な市場の育成に努めています。

 公正な市場の育成は、土俵作りに例えることができると思います。
土俵は、円とは限らず、三角でも四角でもかまいませんが、一方にだけ有利
なものであってはいけません。「当たり前じゃないか」という声が聞こえて
きそうですが、なかなかこれが大変なのです。そもそも、わが国には、民間
企業や、新規参入者の土俵入りを拒否する見えない壁が、あちらこちらにそ
びえていますが、一旦、その壁を越えて土俵に上がることが出来ても、次は、
片方の力士にだけ有利なゆがんだ土俵が、公平な競争を阻んでいます。これ
がわが国の現状なのです。

 規制緩和はわが国を活性化するためにはどうしても避けて通れません。し
かし、そのとき忘れてならないのが競争政策です。競争政策とは、公正な競
争を確保するための政策のことですが、それを担っているのが公正取引委員
会です。規制を緩和すれば、全ての参加者が自由に競争に参加することにな
ります。その時には、やはり規模の大きい方が有利になりがちです。

 たとえば、ある巨大企業が、不当に安い料金を設定したとします。赤字が
出ても、もともと規模が大きいわけですから、我慢比べは有利です。そして、
他の企業がいなくなったところで、サービスや価格を、自分に有利に設定す
れば、そのとき消費者には他の選択肢がありません。だからこそ、規制緩和
と公平な競争の確保は車の両輪なのです。

 このように重要な役目を持つ公正取引委員会の機能をさらに強化するため、
『規制改革推進3か年計画』などの指摘も踏まえ、今回、公正取引委員会が
内閣府に移管されることになりました。ニュージーランドで見られたように、
今後わが国でも多くの国営企業が、民営化され、市場に参入することになる
でしょう。その時に、『元』国営企業が、他の民間企業より有利な競争をし
ていたのでは、民営化の意味さえも失われかねません。そのためにも、公正
取引委員会の役割は益々重要になるのです。

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[特別寄稿]

亀井農林水産大臣プロフィール
● 就任挨拶(農林水産大臣 亀井善之)

 このたび農林水産大臣を拝命致しました亀井善之です。

 21世紀を迎え、日本では新しい時代に対応した経済社会への大きな転換
が求められており、小泉内閣の下、将来展望を切り開くべく、あらゆる分野
での構造改革が進められている状況にあります。農林水産行政におきまして
も抜本的な改革を求められているところであり、WTO農業交渉、コメ改革、
農協改革など課題山積の中での大臣就任となりました。

 農林水産業と農山漁村は、生命をはぐくみ、自然環境を保全し、文化を形
づくるという重要な役割を果たしております。この国の土台とも言える分野
を対象とする農林水産行政の改革に全力で取り組みたいと考えています。

 特に、一昨年のBSE問題や、食品の表示問題等、食と農に関する様々な
課題が顕在化している中で、消費者の視点に立った食料・農業・農村政策の
再構築が急務となっております。

 私は、いわゆる川上から川下まで、生産と消費双方が共存・共栄できる社
会を作ることこそが重要ではないかと思っており、そのための政策を進める
とともに、消費者の皆さんにも農林水産業にふれてもらい、理解してもらえ
るような施策を進めていきたいと考えています。

 また、国民共通の財産である農山漁村について、その資源を観光活用する
ことで都市と農山漁村のつながりを強化したり、バイオマスを活用して環境
に貢献するなど、地域の特性に応じた新しい発想での振興策を進めていきた
いと考えています。

 進行中のWTO農業交渉につきましては、当初期限とされていた3月31
日までに交渉の枠組み(モダリティ)を確立できなかったところですが、引
き続きEU等と十分連携しながら、我が国の主張に則した現実的でバランス
のとれた合意が得られるように、さらに努力して参りたいと思っています。

 私が農林水産大臣に就任したのは、ちょうど4月1日。多くの新入社員、
新入生同様、私もフレッシュな気持ちで農林水産行政の推進に努めてまいり
たいと考えております。

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上野内閣官房副長官プロフィール
● 電線類地中化への取組について(内閣官房副長官 上野公成)

 先日、都市再生戦略チームの伊藤滋座長が「緑陰道路を造ろう」と「街か
ら電線を無くそう。」という寄稿をされましたが、国民の関心が高く、反響
が大きかったので、早速副大臣会議で取り上げました。

 緑陰道路については、既にこのメルマガでお知らせしましたとおり、住民
の方々と協力して豊かな街路樹を育んでいく取組を始めており、早速仙台市
など13件を第1次モデル地区に指定しました。

 電線類地中化については、私と、この問題に関係する中馬国土交通副大臣、
加藤総務副大臣、西川経済産業副大臣で検討を進めてきましたが、この度、
「電線類地中化の着実な推進に向けた基本方針」をとりまとめました。

 電線類の地中化は、昭和61年度から平成10年度までに全国で約3,400
kmが実施されました。現在は、平成11〜15年度の「新電線類地中化計画
」に基づき、さらに3,000kmを目標に、従来の倍以上のペースで鋭意推進し
ています。ただ、まちなかの幹線道路については整備が進んできているもの
の、非幹線道路などは欧米に大きく立ち遅れているのが現状です。

 「基本方針」では、平成15年度は、現在の計画に基づき事業を行う中で、
直ちに都市防災等の新たなニーズを踏まえた4つのモデル地区(※)を指定
し、具体的な事業を実施しつつ、コスト縮減や費用負担、支援制度のあり方
について検討を進めることとしました。

 その結果を踏まえ、平成16年度概算要求に反映するとともに、平成16
年度からの新たな「電線類地中化計画」を今年度中に策定することとしてい
ます。

 この新たな「電線類地中化計画」では、
(1) まちなかの幹線道路については引き続き重点的に整備すること
(2) 都市景観に加え、防災対策(緊急輸送道路・避難路の確保)、バリ
   アフリ−化等の観点からも整備すること
(3) 良好な都市環境・住環境の形成や歴史的街並みの保全等が特に必要
   な地区においては、主要な非幹線道路も含め面的に整備すること
を基本的な推進方針としたいと考えています。

 国・地方公共団体の財政事情も悪化しており、電力・通信分野の自由化の
進展等で電線管理者の経営環境も厳しさを増している状況ですが、制度の見
直し、コストの縮減等に一層の工夫を行い、国民の要望に応えていきたいと
思います。

 緑陰道路の普及等とあわせて、緑豊かで住みよい街づくりが進むよう、地
域住民の皆様のご理解、ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

※ 4つのモデル地区
(東京都環状七号線、大阪府堺市、島根県津和野町、東京都文京区千駄木)
 http://www.kantei.go.jp/jp/m-magazine/backnumber/2003/0410t.html

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[小泉内閣の動き]

● 「女性のチャレンジ支援策」の手交(03/04/08)
 http://www.kantei.go.jp/jp/koizumiphoto/2003/04/08danjo.html
  男女共同参画会議が女性のチャレンジ支援のための環境整備の推進など
 の提言をまとめた報告書を小泉総理に手交

● 日・ベトナム首脳会談(03/04/07)
 http://www.kantei.go.jp/jp/koizumiphoto/2003/04/07vietnam.html
<ビデオ>http://www.kantei.go.jp/jp/koizumivideo/2003/04/07viet.html
  ファン・ヴァン・カイ首相との会談の模様
  日越投資協定についての基本合意や二国間関係についての意見交換など

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[観光カリスマ百選]

● 日本的な暮らしを表現した癒しと憩いの町「おかげ横丁」
  (三重県伊勢市)

 平成5年、伊勢神宮内宮の門前町である「おはらい町」に、江戸から明治
にかけての古い街並みを再現した「おかげ横丁」が誕生しました。この地に
本店を構え300年商いを続けてきた老舗の和菓子屋「赤福」が約140億
円を投じて完成させたものです。

 かつて、伊勢参りで賑わいをみせていたこの町も、時代の流れとともに、
伊勢の古き良き時代の面影をなくし、通りとは別に、車の通る道が整備され
ると人の流れが途絶え、衰退の一途をたどっていました。

 「洋風化したものが氾濫する時代だからこそ、日本的なこころのふるさと
が求められている。」赤福の濱田益嗣(ますたね)社長の描いた町づくりの
考え方は、とても分かりやすいものでした。江戸時代には、当時の日本の人
口の5分の1にあたる参詣客を迎えていた伊勢には、伝統的におもてなしの
こころがありました。その温かい心を感じてもらえるような、伊勢らしい伝
統的な街並みを再現すれば、きっと訪れる人々に喜んでもらえると濱田さん
は信じたわけです。

 約2600坪の「おはらい町」の中には、伊勢を代表する伝統的建造物25棟
が立ち並び、江戸時代の伊勢の様子を紹介した展示館や、松阪木綿、伊賀組
紐といった工芸品を扱う店、伊勢うどん、てこね寿しといった郷土料理を出
す店など40店舗が入っています。

 「おかげ横丁」に一歩足を踏み入れると、さながら古き良き時代にタイム
スリップしたような錯覚を覚えます。もちろん、手がけたのは、こうした建
築物だけではありません。盆栽、俳句、民話・伝承、碁会所など、日本の古
き良き文化に触れられる「五十鈴塾」も開講しました。

 伊勢らしい伝統的な街並みと伊勢人のおもてなしのこころ、この二つが相
乗効果を発揮し、「おかげ横丁」を訪れる観光客は、平成14年にはついに
300万人を超えました。伝統的な「日本文化、日本の暮らし」を表現した
「おかげ横丁」の町づくりは、これからの地域活性化の一つの方法を示した
のではないでしょうか。

※ 伊勢市の様子
 http://www.kantei.go.jp/jp/m-magazine/backnumber/2003/0410k.html

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[キーワード解説]

● SARS

 SARS(Severe Acute Respiratory Syndrome:重症急性呼吸器症候群
)とは、香港、中国広東省や米国などへ感染が拡大している原因不明の感染
症のことで、「新型肺炎」とも呼ばれています。今月8日現在、19の国・
地域で延べ2,671名の感染者、103名の死亡者が出ています。

 SARSの主な症状は、38度以上の急な発熱、痰を伴わない咳、息切れ
や呼吸困難です。これまでのところ、感染源や病原体は完全には特定されて
おらず、予防や治療に効く薬はありません。しかし、感染者の飛沫や体液に
接触しない限り感染しないものと考えられており、感染力はインフルエンザ
より低いものとみられています。

 今月2日、WHO(世界保健機関)は、SARSについて、香港・中国広
東省への「不要不急の旅行を延期することを考慮する」よう勧告を出しまし
た。

 これを受け、我が国も3日、香港・広東省への渡航の是非を検討するよう
促し、不要不急の渡航を延期するようお勧めする危険情報を発出しました。
やむをえず渡航せざるを得ない方には、手洗い・うがいの励行やマスクの使
用などの予防策をとったり、人混み(特に患者の集まる医療機関)をできる
だけ避けるよう呼びかけています。

 また、日本国内の空港や港においては、香港・広東省などからの乗客・乗
員について、健康状態の確認を行うなど検疫体制を強化しており、検疫所な
どの職員に対しても、旅行者などからの二次感染を防ぐための十分な予防措
置をとっています。

 我が国では、幸いにも、これまでのところ、SARSを発症した患者は報
告されていません。感染の疑いや可能性のある患者は報告されていますが、
いずれも症状は軽く、発症の可能性は低いものと見られています。

 しかし、万が一、SARSの患者がでた場合でも、必要な医療をすみやか
に提供できるよう、都道府県に対し、行動計画をつくるなど体制の整備を要
請しています。

 香港・広東省などから帰国された方で、帰国後10日以内に咳または呼吸
困難をともなう38度以上の急な発熱症状がある方は、事前に受診予定の医
療機関にご連絡のうえ、受診していただくようお願いいたします。

※ 厚生労働省ホームページ(SARS関連情報)
 http://www.mhlw.go.jp/topics/2003/03/tp0318-1.html

※ 外務省ホームページ(SARSに関する危険情報の発出)
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/sars/index.html

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[編集後記]

 「君子豹変」との総理コラム、タイトルを見て、総理も路線変更か!と思
われた方もおられたのではないでしょうか。総理の改革への基本方針はもち
ろん不変です。しかし総理といえども、本来の意味で豹変しようとする姿勢
は大切なことだと思います。就任当初、ラーニングプレジデント(成長する
大統領)と半分揶揄されたケネディ大統領もキューバ危機でその判断力と指
導力に磨きをかけました。小生も豹変しなくてはと思います。
 今週月曜日、2003年4月7日は鉄腕アトムが生まれた日です。アトム
を月刊漫画誌やテレビで見ていた少年時代、2003年は遠い、遠い未来で
した。そのときを迎えてアトムは誕生していませんが、多様なロボットが各
分野で活躍しています。歳出改革の中、未来への投資である、科学技術予算
は増やしています。いつの日か心優しい科学の子が誕生するでしょう。
(晋)

安倍内閣官房副長官プロフィール安倍内閣官房副長官
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総編集長:内閣総理大臣 小泉純一郎
編集長:内閣官房副長官 安倍晋三
発行:内閣官房内閣広報室(〒100-8968 東京都千代田区永田町1-6-1)