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教育

検定審論議せず 「集団自決」軍強制削除 文科省(10/22 08:12)

 沖縄戦の集団自決での日本軍による強制や関与を示す高校教科書の記述が削除された問題で、文部科学省の教科書検定審議会がこの記述をめぐる論議をせず、同省の原案通りに検定意見をまとめたことが21日、関係者の証言で明らかになった。同省が教科書会社に検定意見を示す際「軍命令がなかったとの説が一般的になっている」と、定着している学説に反する説明をしたことも分かり、今回の検定のずさんさが浮き彫りになった。

 複数の審議会委員によると、今回問題となった教科書は昨年十、十一月の計二回、下部組織の日本史小委員会が審議した。日本史研究者の委員八人と文科省の教科書調査官数人が出席。このうち近現代史専門の委員は四人だが、沖縄戦に詳しい委員はいなかった。

 対象教科書は十冊。一冊当たり約五十カ所の検討個所は八−九割は誤字や年号の誤りなどだった。集団自決への日本軍の強制や関与を示す記述について、調査官は「沖縄戦の実態について誤解するおそれのある表現」との原案を示し、理由として《1》軍命令の有無を争う裁判がある《2》日本軍の強制はなかったとの学説もある−と説明。だが、委員の発言はなく原案のまま検定意見になった。

 委員の波多野澄雄筑波大副学長(国際関係史)は「重要な議題を審議する時間がなかったが、軍の関与まで否定したつもりはない」と説明。別の委員は「沖縄の人々が納得しないだろうとは思ったが、特に異論は言わなかった」と話す。

 一方、執筆者の証言では、調査官が昨年十二月、教科書会社と執筆者に検定意見を示した際、軍の強制を否定する説明をした。実教出版(東京)の教科書を執筆した元高校教諭の石山久男氏は「集団自決をさせたとの表現や、日本軍という主語が出るのも困ると言われた。軍の関与もだめだ、と受け取った」と話す。別の会社の執筆者によると、調査官は「新しい研究で日本軍の命令はなかったというのが一般的になっている」と述べ、軍の強制や関与を認める広く検証されてきた学説に反する説明をした。

 その後、教科書会社は検定意見を受けて記述修正、軍の強制や関与を示す表現が消えた。今回の検定について、渡海紀三朗文科相は十二日の会見で「意見が出なかったからといって議論していないとか手続き上まずいとは言えない」と述べた。

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