沖縄戦の集団自決をめぐる教科書検定問題で、文部科学省は10日、議事録が作成・公開されていない教科用図書検定調査審議会の下部に位置する部会や小委員会について、議事録の作成・公開に向けた検討を行う方針を固めた。教科書検定の透明性を高めることが狙いで、渡海紀三朗文科相は「(審議が)終わった段階で議論を公表することは可能かもしれない」と話している。
現行の制度では、検定審議会の議事録が作成・公開されているだけで、内容も部会の審議結果の報告にとどまっている。実質的に検定意見を決定する部会や小委員会については、出席者、合否判定などを記録した「議事録」のみで、議論の内容は記録されていない。
今回の問題では、検定意見が付けられた根拠などが「不透明だ」と批判されており、渡海文科相は「変えなければいけない部分は変えなければいけない」と前向きな姿勢を示している。ただ、審議全体を公開することは、中立・公正な議論を行うために支障が生じるなどとして、検討対象からも除外する。
また、今回の検定意見を審議した第2部会(社会)や日本史小委員会に沖縄戦に詳しい専門家がいなかったと指摘されていることから、文科省の教科書調査官が作成し、同審議会に提出する「調査意見書」で、評価が分かれる懸案事項があった場合、それに詳しい専門家を交えて審議することも検討する方針。【高山純二】
毎日新聞 2007年10月11日 東京朝刊