夜も深まってくる頃、私はふと旅行会社から貰っていた韓国のパンフレットを見てみました。
その中で目に止まったのが「カジノ」です。
よくテレビでラスベガスなどを見ると「スロットマシーンで1億円」などといろんな記事や映像を見ます。やっぱり一度は行きたいスポットですね。
そこで知り合いと共に行く事にしました。
私たちが泊まっているのが「釜山ロッテホテル」そうです。お菓子会社のロッテが経営しているホテルです。
そしてカジノがあるのが「パラダイスホテル」です。
どうもロッテホテルからパラダイスホテルまでは車で移動して30分前後かかりそうです。なのでホテルの玄関でタクシーを拾う事にしました。
余談ですが韓国では日本で言う3ナンバーの大型車が主流であまり軽自動車は見かけません。
なんとなくクラウンやシーマ、セドリック、プレジデントと行った日本の大型車を真似たような感じの車が多いことに気付きます。
正面から見たらシーマ風なんだけど後ろから見たらウィンダムにそっくりというような車もあり、日本文化のいい部分を真似ているというのが一目でわかります。
そんな中、1台の大型車が私たちの前で止まりました。
クラウン風の車です。真っ黒で凄く貫禄がある車です。そのタクシーが止まるとホテルのドアボーイが車のドアを空け私たちを車の中へエスコートしました。
私たちが乗り込むとドアをドアボーイが閉めて車はゆっくりと走り出しました。
早く言えば密室、韓国の人1人と私たち2人、ちょっと緊張します。
日本でもタクシーの運転手が無言だとなんとなく楽しくなくてイライラしたり場合によっては怖かったり気分的に落ち込んだりする事がありますが、この韓国人のタクシー運転手ともそんな感じだろうか。なんて考えてたとき運転手が口を開きました。
「あぁー、はじめましテ、キムと言います。よろチくネ。どこイキマスカ。」
底抜けに明るい声が車の中に響きました。
その声を聞くだけで楽しくなる雰囲気それを持っているのがこのキムです。
声を聴いた瞬間「カジノで買っても負けても楽しくなりそう」と直感しました。
(右の写真は韓国の街並みを撮ってみました。白い車はキムの車ではありません!)
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余談ですが、私たちが泊まった「プサンロッテホテル」でも2006年の6月からカジノがオープンしたそうです。
次回行く事があったら、このロッテホテルのカジノをレポートしたいと思います。 |
あとから聞いた話ですがもっとジメジメした運転手や、わざと遠回りして目的地に着く運転手等が多くどうしてもいい運転手にめぐり合う事は少ないようです。
中には「仕事だから仕方なく日本人を乗せる」という運転手もいて露骨に旅行が楽しくなくなる事も多いとか。
「あぁこの人に出会えてよかった」と思い、バスガイドのジョウさんからメモしてもらったハングルで書かれた「パラダイスカジノへ行ってね」のメモをキムに見せます。
「あぁー ワかった。パラダイスデスねー。ちょと遠いヨー。高速ツカウとオカネかかるけど早いよ。どちする」
「それでは高速で!!」
「アい。わかタ」
そうしてパラダイスカジノへと向かったのです。
あとから考えると、どうも韓国ではタクシーのドアが自動ではなく手動で1回1回締めなければならないようです。
なので目的地に着いても自分でドアを開け閉めるというのが常識になっている感じがしました。
キムは2〜3度「カジノはかてないからヤメタほがいいよ」といいニコニコしていました。
私たちも釣られて「へへへへ」と笑いました。
負けるとわかっていてもひょっとしたら勝つかも。これがギャンブルですので!!
その車の中でキムといろんな話をしました。
そして次の日、1日を10万ウォン(日本円で10000円程度)でガイドをしてもらえる
事になりました。ガイドをつけずに街をさまよってても何もわかりませんからよかったです。
そしていよいよパラダイスカジノへ着きました!
キムと次の日の観光案内の約束を取り付けて私たちはタクシーを降りパラダイスホテルへ入って行きました。
日本人向けのカジノなのだから当然日本語が通じるスタッフがいるだろうと思いホテルに入って右側すぐのところにいたホテルの案内係に
「カジノはどこ?」と聞くと「後ろになりまチュ」と回答がありました。
振り向くと大きな自動ドアがありどうもそこがカジノの入り口のようです。
ゆっくり私たちはその自動ドアをくぐりました。
やっぱり最初は期待と不安がありますね。
中に入るとまずパスポートの確認です。日本人である事を証明して入り口を突破しますと2階に続く階段を上がる事になりました。
中2階のようなところでは白人の女性がスロットマシーンをしています。
そこで私たちもスロットをしようとしていますと彼女が「なんか上にもあるよ」といいますので見上げると広く開けたカジノがそこにありました。
バカラとかポーカーとか、なんかそんなのが多くて初めてカジノに入った私たちは緊張しました。
ですがその時に私たちの目に入ったものは日本でもよくあるゲームセンターのスロットマシーンでした。(パチンコ屋のスロットではないです。)
9個の絵柄に7がそろうと2000枚とか5000枚とかそういうものです。
また中で遊んでいる人たちの全てが日本人と言うのも緊張が解けた理由の1つでした。
(なんかヤクザっぽいのとか、そっち系の人たちが多そうでしたが)
それでぐるーっと周りを見渡すと最初に「ルーレット」が私の目の前に飛び込んで参りました。
「よしこれをやろう」と思って座ると昔、子供時代に遊んだドンジャラのチップのようなものをみんなベットしています。
これが本物のチップか。と妙に感心してみていましたが、ふと現金をそのままかけられないみたいだと思い、どこでオカネをチップに変えるんだろうと気になり隣の裕福そうなおじさんに聞いてみるとルーレットを回す横でチップのやりとりをしているお兄さんにオカネを渡すとチップに変えてもらえるという事を聞きました。
それで4万ウォン(4000円ばかり、ちょっと少ないですが初めてですので!)を出して交換してもらい早速ベットすることに。
正直人生最初、初めてのカジノはここでスタートしたわけです。
25か何かそこら付近の番号にベットしていると大当たりビシッと当たりました。あっと言う間に倍の金額に!!8000円くらいになったわけです。
ただ他のサテライトを見てみるとチップの色が違います。
私たちのチップはブルーで1枚2500円位のものですが他の台はオレンジ色のものなのです。多分25000円のものなのでしょう。
私も早く高いチップで遊べる身分になりたいものです。
初戦に勝った嬉しさから、これに気を良くしてどんどん賭けていきました。
まぁ最終的には負けてしまうのですが約45分くらいを4000円の投資で遊べたわけです。
負けたのはムッとはきますが45分遊んで4000円ならまあまぁです。
それで私たちはゲームセンターのスロットの方に移動しました
ゲームセンターでよく見かける9つの数字が全部7でそろうと2000〜5000枚出てくるスロットに移って私は思いっきり賭けてバンバン回しました。
8枚賭けというのが一番大きく賭けられるのですが20ゲーム位していると2ライン7がそろって500枚の獲得。
500ウォンがぞろぞろ出てきます。
500ウォンの500枚、250.000ウォンの獲得です。
250.000ウォンというと読者の皆さんは驚かれると思いますが、なんて事はありません。日本円では25.000円なのですから。
これに気を良くした私は、またまた図に乗って次々に賭けていきました。
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そしてスッカラカンになってしまったのです。
もともと4000円くらいから増やしたり減ったりでしたので、まぁいいやと思い次にポーカーに行きました。
ポーカーの仕方は知っていたのですがそのカジノのポーカーは独特のルールみたいでチップのほかに銀のコインを台の前に縦にはさんで行うのです。
そこで私がマゴついていると客席に座っていてポーカーしていた女性客がなにやら私に話しかけてきました。
何か怒っているようです。でも韓国語の為、よくわかりません。
「えっ?」私は不思議に思いました。
このカジノは日本人向けの為、韓国人は出入りしてはいけない決まりになっているのです。
なのに韓国語で中年女性がなにやら、まくし立ててきます。
どうも「急いで勝負しろ」というような事を言っているみたいでした。
そして私の銀のコインをむしりとると勝手に台にベットしたのです。
私は自分で言うのもなんですが、人見知りが激しいのでこんな時、しかも相手が韓国人なのに文句を言えるはずがありません。
私はなんとなく「まっ1000円くらいだからいいか」と勝手に思い込む事にしました。
近くで見ていた彼女は「なんかあの人日本語じゃなかったよねー」と不服そうに言いますので私もうなずいて、
いろんなゲームを見て帰る事にしました。
返り際に1Fの受付で(パスポート見せたところで)私たちは言いました。
「ポーカーのところで遊んでいる大きな女の人、韓国人ですよ」と。
カジノの受け付けが驚いている感じでしたのでその後、そそくさと私たちはホテルを後にしたのでした。
ホテルを後にしてタクシーを拾う事にしました。
キムのように日本語が上手な日本人向けのタクシーは少しばかり料金が高い代わりに凄く丁寧な運転をしてくれるのを私はガイドブックを見て知っていました。
だけど、私はひねくれ者ですので「それじゃ現地の日本語が通じないタクシーはどれだけ荒い運転するんだろ」と思いました。
そんな事もあって日本語が通じないタクシーに乗ることにしたのです。
その時はまだちょっとした恐怖の始まりとは知りもしませんでした。
私はタクシーに乗り込むと、バスガイドのジョウさんにハングル語で書いてもらっていた「釜山ロッテホテルまで」というメモを見せてタクシーを発進させました。
韓国のタクシーは日本語ができるタクシーはおおよそクラウンのような大型車で基本料金も高めです。ですが私たちがカジノの帰りに乗ったタクシーは現地の方でも乗る普通のタクシーでした。日本車で言えばカローラかサニーというところのランクの車のようです。
で、帰りの車は現地の韓国人が乗るカローラチックな車で日本語も通じないという運転手でした。
発信してすぐに赤信号があり急ブレーキをかけます。
車が大きく揺れて私たちもバウンドしたような感じになります。
運転手は元プロ野球選手の角のような顔です。ちょっと険しい顔です。
次の瞬間その角似の運転手は赤信号でも向かいの車が来ていないのを確認すると車を発信させたのでした。
「この運転手、赤でも注意すれば進んでいいとおもってる!!」
その瞬間から急激に飛ばしては急ブレーキをかけるというような、はっきり言えば「乱暴運転」でホテルまで帰ってきたのでした。
25分くらいでしたでしょうか。
ちょっとした"リアルアトラクション"です!
それでは行きと帰りの交通費を比べて見ましょう。
■行き(日本語が通じるデラックスな車)
大型車、丁寧な運転、バイパスを使った、目的地まで45分程度
金額・・・・・・・・・25000ウォン(2500円)
■返り(現地の人が乗る普通の車)
中型車、乱暴運転、バイパス利用ナシ(深夜の為、道が空いていた)
目的地まで25分程度
金額・・・・・・・・・8000ウォン(800円)
3倍くらいの金額の差があります。
行きと返りでは道が込んでいたか、空いていたかの差もありますがこれくらいの差だとお考え下さい。 |
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帰ってきたのが夜の11時30分くらいでした。
まだ、夜はこれからという事で私たちは屋台に行く事になりました。
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