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【ネットの話題】

安心のお産にネット活用  先輩ママ・専門家の声ぎっしり

2007年10月22日

産科医不足が問題となる中、ネットでも情報収集し、安心なお産に備えたい

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 「三カ月前に予約しないと、希望する病院で出産できない」―。産科病院も産科医も減る一方で、お産事情は様変わりしている。安心して赤ちゃんを産むためには、妊娠中から「いざ」という時に備えなければならない。そんな時、強力な「助っ人」になりうるのがネットだ。 (テクニカルライター・森真由美)

 「おなかの中の赤ちゃんが動くので安眠できないと、妻が悩んでいるので、ネットで打ち明けたら、すぐに、抱き枕を使うといいとか、保冷剤で首を冷やすといい、というコメントが返ってきた」

 妻が妊娠した渡辺裕太さん(32)=名古屋市在住=は、「妊夫」のブログを開き、初めてパパになる不安や悩みを書きつづった。すると、先輩ママやプレママ(妊婦)から多数の経験談やアドバイスが寄せられ、「男の知らない世界だけに、本当に助かった」という。ネットで勇気づけられた夫妻は、十月初め、元気な赤ちゃんを胸に抱いた。

 安心してお産を迎えるためには、不安を解消するための十分な情報が必要になる。母子手帳には、各種手続きや最小限の知識しか載っておらず、書籍や雑誌も一般論ばかり。妊婦の体調や環境は一人一人違うので、対処法も異なるはず。その点、パーソナルメディアのネットは、個々人に最適な情報を探し出すのに向いている。しかも、初産の平均年齢は二九・二歳(二〇〇六年)で、お産適齢期の女性はネット世代そのものだ。

 マタニティー関連サイトは、「妊娠」「出産」「育児」など数多い。

 「ベビカム」は、産婦人科医・小児科医・助産師のコラムや、読者投稿に回答する「からだと心の相談室」「お金の相談室」があり、全国の「赤ちゃん相談室」も容易に検索できる。

 「はっぴーママ・ドットコム」は、辞典のように各種情報を整理してあり、「WorldはっぴーママReport」では世界のマタニティー事情が紹介されている。

 また「ウィメンズパーク」は、女性限定のクチコミサイトで、近所の病院の評判からマタニティー生活の不安まで、リアルな情報を共有できるのが特徴だ。

 ネットの効用を身をもって体験したのは、四年前に二人目を産んだ時。

 妊娠九カ月に入ったある朝、突然、変調を来し、かかりつけの病院に飛び込んだ。「切迫早産」との診断で、絶対安静を告げられ、直ちに強制入院。「そんな大げさな。どこも痛くないのに…」と思いつつ、病院に持ち込んだパソコンで症状を調べると、医師の指示が決してオーバーではなく、おなかの赤ちゃんが危ない状態になっていることが分かり、冷や汗。さすがに、ベッドでおとなしくしていることに決め、無事に赤ちゃんを産むことができた。ネット情報に得心したわけだが、似たような事例やクチコミ情報がなければ、危険の程度も分からず、きっと無理をしていたに違いない。

 プレママの中には「検診に高い費用を払うくらいなら、ネット情報で自己管理した方が経済的にも助かる」と言う人もいる。

 もっとも、ネットには「コーラの一気のみで母乳が出る」「陣痛には市販の頭痛薬が効く」といった明らかにおかしなクチコミや、産後太りの女心を突く「授乳中でもOKのダイエットサプリ」のような怪しい宣伝がはんらんしている。

 玉石混交の情報の中から、「本物」を見極める目を養いたい。

 

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