北陸の食品会社などが中国・大連市郊外の工業団地に進出する見通しとなった。現地で
加工場などを建設する計画で、十社程度が進出する。十八日、石川県庁を訪れた大連市代
表団に同行した古賀克己石川県日中友好協会長が谷本正憲知事に報告した。
古賀会長によると、現段階で進出の意向を持っているのは、山元醸造(高岡市)、チャ
ンピオンカレー(石川県野々市町)の食品会社のほか、加賀木材(金沢市)、プラスチッ
ク射出成形加工のテラタニ(石川県宝達志水町)など。進出企業は年内に具体的な計画を
詰め、来春以降に施設の着工に入る。
大連では、以前から、北陸の食品会社の加工場が集積する「フーズパーク」(仮称)構
想が検討されていたが、約三万三千平方メートルの用地確保の見通しが立ち、「木材など
製造業にも規模が拡大した」(古賀会長)。
食品や製造の現場では、人手不足が目立っており、依然として安価で豊富な労働力を得
やすい中国への関心が高いという。昨年十一月には、金沢市を訪れた大連市の夏徳仁市長
が、企業誘致について、税制面などで「特別な配慮」を検討することを表明しており、こ
うした交流も北陸の企業進出を後押しした。