北朝鮮とシリアの核協力疑惑の報道が米メディアで広がっている。ABCテレビは19日、9月にイスラエルがシリアを空爆した理由として、標的とした施設内の写真をスパイ活動を通じて入手し、北朝鮮型核施設の可能性が強いと判断したためと報じた。同日付のワシントン・ポスト紙も、シリアが空爆を受けた施設の解体作業を始めたとの記事を掲載した。
政権高官がそろってノーコメントを貫く一方で、メディアでは「政府高官の話」として北朝鮮とシリアの核協力疑惑の報道が絶えない。政権内の強硬派と対話派の対立と主導権争いが反映しているとみられる。
ABCによると、イスラエルは入手写真を米中央情報局(CIA)にも提示し、米国に攻撃を促した。写真には建設中の円筒形の構造物、原子炉用の冷却用ポンプなどが映っていると伝えた。だがホワイトハウスは核物質の存在が確認できないとみて、イスラエルに自制を促したという。(ワシントン=丸谷浩史)(00:05)