長野県小諸市の宗教法人「紀元会」の集団暴行死事件で、同会の舟橋元博代表役員ら紀元会の男性幹部4人が21日午後6時から、小諸市内の中華料理店で報道関係者を対象とする会見を開いた。同会側が、今回の事件後に公式な説明の場を設けるのは初めて。
同会側は会見に先立ち、「報道機関1社につき、参加者は1人まで。記者の途中交代も禁止」とする条件を一方的に出していた。記者側はこの条件を撤回するよう会見前に交渉を試みたが、同会側は応じなかった。
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会見では冒頭、紀元会側が謝罪するとともに経緯を説明。その後、質疑応答が始まった。
舟橋氏ら「一部の会員の不祥事で(奥野元子さんが)お亡くなりになり、哀悼の意を表します。世間のみなさん、大変なご迷惑をかけ、申し訳ありません。19年9月24日、会員が地区別で話し合いをしていたが、午後11時30分から未明にかけ、呼び出された会員の奥野さんに、家族同士での生活態度のいさかいから、長野区の会員も叱責しはじめ、家族だけでなく会員も奥野さんに暴行を加えた結果、奥野さんが店舗に戻ったが意識が戻らなかった。紀元会は9月24日の勉強会に奥野さんが出席せず、会員から話し合いの申し出があったときに、奥野さんがいたことを承知せず、対応が後手になった。深い哀悼の意を表します。捜査段階なのでお話しできないこともある」
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紀元会による記者会見での一問一答の一部は以下の通り。
−−家族同士のけんかに会員が加わったのか
紀元会「そういう理解で結構です」
−−原因は
紀元会「把握していない。奥野元子さんのことがもとで、家族が言い争いになった。ほかの会員も同じように暴行に手を下したと考えている。
−−ほかの会員はなぜ加わった
紀元会「わからない。改めて会見する」
−−奥野さんの家族がけんかし、元子さんを呼びだしたのか
紀元会「その件については当初、元子さんがいなくて、家族がつれてきた。奥野さんをつれてきて戻ったあと、そこでけんかになった」
−−なぜ元子さんをつれてきたのか
紀元会「まだわからない」
−−こうした情報は、会員からの聞き取りがもとなのか
紀元会「そうです」
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