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☆月刊Gファンタジー11月号 発売中!

『地球へ・・・~青き光芒のキース』が好評連載中の月刊「Gファンタジー」!!
今月の巻頭カラーには“PLUG INTOテラ”として、全話数を振り返ったキャラクター紹介やヤマサキ監督のコメントが載っています!

今回はメールインタビューとして監督がコメントを寄せましたが、
誌面の都合上全文をご紹介することがむずかしかったようです。

そこで『地球へ・・・』こめた思いと、ファンの皆さんへのメッセージも書かれている全文をここにご紹介いたします。

少し、あいや、かなり長いので(笑)興味のある方のみ、下記にお進みくださいませ。
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【ヤマサキオサム監督へご質問】
スクウェア・エニックスの月刊コミック誌「月刊Gファンタジー」にて、毎号アニメ『地球へ…』の記事を掲載しております。
つきましてはその11月号(10月18日発売)用に、ヤマサキオサム監督のコメントをいただければと思っております。以下の質問にお答えいただけませんでしょうか。
お手数をおかけして恐縮ですが、何卒よろしくお願い申し上げます。

1.最終話は、原作のラストにアレンジが加わった形になっていますが、その意図を教えていただけますでしょうか(キースが人類に真実を暴露する場面や、トォニィがイヤーマフ Ear Muhhを受け継ぐシーンなど)。

◆今回のアニメ版『地球へ…』は、表現の機会をいただいたのが21世紀ということで、原作をベースに
“ミュウ三代の意志の継承”
“親子の愛”
“地球環境への警鐘”などのメッセージを込めようと制作を進めてきました。

キースに関しては、マザーコンピュータに操られてジョミーを殺すのではなく、自分の意志で戦い、迷い、そしてジョミーを認め、解り合おうとしていく。一人の血の通った「男」として描きたい。それがあのような表現になりました。

トォニィとジョミーの別離のシーンは、今回の『地球へ…』を締めくくる上で無くてはならないものです。
原作者の竹宮惠子先生からも最終回の絵コンテをご覧になった後「ジョミーとトォニイのシーンはTV版のオリジナルで、ここは世代間の継承がちゃんとされててよかったです」とメールをいただきました。

#23でフィシスに言わせたミュウたちの思想。ここにも今の人々に送りたい大切なメッセージが込められています。

精一杯自分のこころざしを貫こうとする彼らに、少しでも何かを感じていただけたら。

2.ジョミーとキースという2人の主人公をどう描こうと考えたか、2人の迎えた結末と合わせて、改めて振り返っていただけますでしょうか。

◆親の愛を一心に受けて育ったジョミーは根幹がしっかり育って成長した、より自然な子供として描きました。

対してキースは、人工栽培の理想的な環境で育ったブランド人類として、見た目も中身も申し分が無い。しかし原始的な図太さにかけるキャラで、それが“危うさ”に見えるといいなと思っていました。

ナスカ前後のジョミーが逆境の中で悩む姿は、ナスカチルドレンから「へなちょこ、ジョミー!」と思われ、ファンからも「なんじゃく~」(笑)と言われてたようですが、それでいいと考えていました。
ジョミーを信じていましたからね。
彼にはその時期を経験し、乗り越える強い生命力を子供の頃に育まれていたはずなんです。

私もそうでしたが、現実の世界でも若い時期の男は総じてヘナチョコなんです(笑)
その時期を乗り越えて男はしっかりとした大人になっていく。
だから、ナスカのジョミーは子供から大人になる大切な時期に居たのです。
守られる立場(子供)から、守る立場(大人)になっていく…。
それは言うほど簡単なことではありません。

それに対してキースは、同時期に知識ベース、能力ベースではすでに優れた大人になっていますよね。
しかし、本当の意味で悩んだり苦しんだ経験が無く、マザーの導きのままに完璧に任務を遂行していたわけです。
けれど、子供には自我の目覚めに伴って親離れをはじめる時期が来ます。
マザーにとっての理想の子供であったキースは、自我の目覚めと共に親の抱えた矛盾に気づき思い悩むのです。
最終回のキース。
実は彼はあの時初めて本当の意味で、一人の大人の「男」になったのだと思います。

3.「地球へ…」のテレビアニメは、原作を膨らますような解釈があったり、竹宮先生の別作品の要素が入れられたりした点も話題でした。上手くいったと思う点などありましたら、お聞かせください。

◆キャラクターたちに関しては、デザイナーの結城さんが竹宮先生の作品に対するリスペクトと、現実的な世界観の統一をおこなうために、竹宮先生の他作品キャラを登場させました。

おヤエさん・セルジュをはじめ、皆さんに愛されたキャラも多く、『地球へ…』を竹宮ワールドとして描く上では、非常に効果的だったと思います。

4.最後に、「地球へ…」を最後まで制作し終えてのご感想、描きたかったことの達成度など、作品を振り返ってのお話をお聞かせください。

◆描きたかったことはほぼ表現できたと思っています。
細かいところを上げれば、まだまだやりたかった事はたくさんありますが。

『地球へ…』を、現代によみがえらせるために全力を尽くした二年間。
多くの方のお力をいただき、第1話がTVでオンエアされた時の感動は忘れることが出来ません。

惜しみない協力をしてくださった、プロデューサーをはじめとした全てのスタッフに感謝しています。

そして、アフレコ現場で毎回のようにその場面に合わせてセリフを練り直す、「芝居方式」のアフレコにも積極的に取り組んで、素晴らしい演技をしてくれた声優の皆さん。

おかげで『地球へ…』がまるで現実にあるかのような、温度の伝わる作品になりました。
ほんとに現場は熱かったです。

自分が30年前に出会い感銘を受けた『地球へ…』
今、このアニメを見てくださった皆さんに、何かを感じていただけたら
心からうれしく思います。

Gファンタジー読者の皆さん、温かい応援をいただき有難うございました。
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