【政治】
政治家が政治資金を管理する団体は2つ。
1,資金管理団体
個人の献金及びパーティ券の収入を扱う。
2,政党支部
政党からの寄付(政党助成金等)や企業献金を扱う。
また、この他に、資金管理団体の他にも○○後援会などの「政治団体」を作ることが出来る。
ただし、政治団体には政治家個人は代表になれず後援会長とか秘書を代表にすえる。
また、政治団体は資金管理団体と違って衆参の議員会館に所在地を置くことは出来ない。
最近の政治家はあまり金がないようで与野党とも個人事務所を持たず資金管理団体の所在地は議員会館にする事が多い。
資金管理団体では事務所経費、光熱費、人件費、備品などは領収書はいらず、松岡利勝の何とか還元水のように、事務所費だといえばこの部類に入ることになる。
ちなみに国会事務所の光熱水費は無料。
「松岡首つり事件」の後、事務所経費といえども五万円超は領収書がいることになった。
ただし、資金管理団体か政党支部以外はどうか?
かわらず、「ザル」だといわれている。
政治資金については毎年一度、資金管理団体の届がある総務省政治資金課か、都道府県の選挙管理委員会に届けなければならない。
政党支部は各都道府県の 選挙管理委員会に届けることとなる。
さて、政治家は企業から貰う政治献金や、パーティ券購入代金は、政党支部か資金管理団体に入れる。
その一方で政治家には人に言えない金の入りと出がある。いわゆる「裏金」といわれるもの。
これを隠すために政治家は資金管理団体の他、任意の政治団体をいくつかつくり、そのに資金を流すという手法をつかう場合がある。
政治資金の報告義務は個人、企業献金は5万円超。パーティ券購入は20万円超。
「裏金」など、やばそーな金の場合、個人の財布に入れる場合もあるが、これは所得税法違反(脱税)、あるいは贈収賄・斡旋利得収賄罪になる可能性がある。
もっとも、少しやばそーな金の場合は、分散という手法もつかう。裏献金する側が、会社などの法人の場合は、子会社名義に分散するか、社長以下家族名義、会社の重役本人の名前で寄付をするという手法が使われる場合がある。
政党支部か資金管理団体に入った金はそのまま使えば政治資金報告書に書かなければならない。政党支部に入った金は党本部が審査する。
つまり、個人的な流用はしにくい。
しかし、政治家が個人的使いたい場合もある。その場合は、領収書のいらない事務所費にするか、他の政治団体、「○○後援会」「○○政治経済研究会」といったところへ寄付するという形式をとる。
通常、あまり金を掛けたくない政治家は他の政治団体を個人事務所か企業から借りた事務所におく。政治団体といっても同じ事務所の会計責任者がやっている場合が多い。
渡部恒三元衆議院副議長の場合、元秘書だった佐藤雄平福島県知事の自宅に所在地を置いていたが、会計事務は衆議院の国会事務所でおこなっていた。
政治資金を次から次へと政治団体に寄付をしていけば、簡単に金の流れがつかめなくなる。
こうした他の政治団体、つまり「○○後援会」「○○政治経済研究会」でも事務所費は領収書がいらないので、これらの政治団体が事務所費を使ったことにして経費として政治資金報告をすることができる。
赤城徳彦元農水大臣の場合、数個の政治団体の経費として10数万円の郵便料金をコピーしてそれぞれの政治団体の諸経費として経常したことが発覚したのだ。
坂本外務政務官の場合は、活動費を二重計上、会議費の領収書を流用している。
(参考:2007/09/01, 日本経済新聞 坂本政務官によると、二〇〇四年五月に静岡県のホテルで会議を開いたとして、〇四年の政治資金収支報告書に約八万八千円の会議費を領収書を添付して計上。〇五年の同支部と後援会の収支報告書には年を替えただけで、通し番号や金額が同じ領収書を添付し、同額を報告書に記載していた。
〇四年六月の別のホテルでの会議費約八万三千円分の領収書も、〇五年の収支報告書に一部を書き換える形で流用されていたという。
坂本政務官は「深くおわび申し上げる。説明責任を果たしていきたい」と謝罪したが、政務官辞任は否定した。)
玉沢徳一郎元防衛庁長官の場合、同じ領収書の日付を変えて経費として計上していた。
福田康夫総理の場合、領収書の宛名が「千代田経済懇話会」「福田経済研究会」とか「福田康夫事務所」になっていたのを秘書が事務所計理が面倒なのか群馬県第4選挙区支部へと宛名を書き換えたのだという。
政治資金管理団体を総務省に届けていない政治家は多数いる。これは東京在住のマスコミが政治資金を調べようとした場合地元まで行かなければならないことを知ってるからだ。マスコミもついつい地元にまで行くのがおっくうになり追及が甘くなる。この手の政治家には危ない輩がに多いのも事実。
政治資金を隠すなら単純にこの手に限るし、さらに政治団体を沢山造り政治資金を分散し諸経費を膨らませることだ。
総務省や選挙管理委員会は、
「報告書の数字や領収書のつじつまが合っていればいい」というだけで、政治資金報告書の中身の精査は一切やらないのだ。
総務省の政治資金課は、
「うちは税務署ではないし、中身が本当かどうかを調べる調査機関でもない。不正があるなら警察なり検察が捜査やればいい」
と政治資金報告書の中身については人ごとであり全く知らんぷり。無責任の一言に尽きるのだ。
政治団体というのは総務省に届け出を出した段階で解散することはできないのだそうだ。
次の総選挙に木村隆秀、鈴木恒夫衆議院らが不出馬を表明した。
こんな時にはどうするか。
引退する議員にもは必ず政治資金管理がある。この資金管理団体に2000万円の繰越金があったとすればどうなるか。解散できない。
そこの裏道があるのが政治家の特権なのだ。
その場合、家族を資金管理団体の会計責任者、あるいは事務員に仕立て年500万円〜1000万円の人件費を払ったことにすれば2〜4年近くで政治資金はなくなることになる。資金ゼロの団体にはその後3年の間の政治資金報告ゼロ円が続けばで政治団体は自動的に消滅することになる。
これこそ政治資金の私的流用なのだが、違法ではない。
安倍晋三さんの父親・安倍晋太郎さんが残した政治資金管理団体の金は妻・洋子さんやその関係者が事務員で登録され給与を得たことにすれば脱税でも何でもない。政治資金規正法にも抵触せず何ら問題は起こらないことになるのだ。
まあ、体のいい節税というのだろうか。
松岡勝利流にいえばいくら事務費が3000万円を超えたとしても領収書がいらなかったので、
「法にのっとているので何らは問題ない」
と開き直ったのと、大同小異といえる。
政治資金報告書の領収書1枚を改ざんした坂本由紀子政務官は即刻辞職。
5枚改ざんした玉沢徳一郎元防衛庁長官は自民党から離党させられた。
百数十枚も領収書を改ざんしていた福田康夫総理は辞任どころじゃないはずだけど・・・・。
しかし、「単なるミス」では済まされる方向。
もっというなら、政治資金については、与党も野党もふくめて大多数の政治がスネにキズをおっていると書くと、いいすぎか?
文責:辻野匠師