県人権救済条例を見直す検討委員会(会長、永山正男・鳥取大副学長)の最終会合が18日、県庁で開かれ、「(凍結中の現条例による)加害者の氏名公表や調査拒否の過料など強権的な手法は慎重であるべきだ」などとする意見書をまとめた。現条例の廃止を事実上求めた形で、検討委は人権侵害の対象を限定した条例など複数案を示した。11月2日に意見書を平井伸治知事に提出する予定。
意見書では、侵害が停止されても救済方法が適切でなければ新たな被害を生みやすいとして、救済に応じない加害者の公表は「侵害回復の範囲を超え、社会的名誉や信用を損なうなど副作用が大きい」などと指摘。人権問題の対象が広く準司法的な現条例は「十分に機能せず、弊害も多いことが予想され、適切な運用が期待できない」とした。
そのうえで、▽公務員による侵害に限定した救済条例▽家庭内の虐待を除き、十分な救済制度のない子どものための救済条例▽障害者や外国人などへの差別行為に限定した差別禁止条例▽相談、紹介、施策提言機能を充実する条例--を制定する見直し方針案を提示。複数案を組み合わせた制度設計も想定されるとした。
永山会長は「人権の全体を一つの条例でカバーし、準司法的な手法で救済すること自体が困難で機能しない」と結論を述べた。平井知事は「人権の問題なので、慎重な検討を要する分野もある。すぐに12月議会へ提出することはない」と述べた。【山下貴史】
毎日新聞 2007年10月19日