満月の光が「合図」 サンゴ産卵の謎とけた2007年10月20日03時00分 世界最大のサンゴ礁グレートバリアリーフ(オーストラリア)のサンゴが満月とともにいっせいに産卵する仕組みを、豪州や米国などのチームが突き止めた。体内にある光センサーの一種が、満月の光を「合図」として感知しているという。19日の米科学誌サイエンスに発表した。
約35万平方キロものサンゴが毎年、10〜11月の満月の後の真夜中にいっせいに産卵する。潮流や水温、天候などの変化を手がかりにタイミングを合わせていると考えられてきたが、詳しい仕組みは謎だった。 豪クインズランド大などは、サンゴにさまざまな色や強さの光を照射する実験をしたり、満月の夜のサンゴの反応を調べたりした。 その結果、新月から満月まで光が強くなるにしたがってサンゴの体内にあるセンサー役の遺伝子がじょじょに活性化し、満月に合わせて産卵の引き金を引くとわかった。 この遺伝子は5億年以上前、有害な紫外線から身を守るため原始生物の体内でできたのが起源と考えられている。いまでは昆虫から人間まで幅広い生物の体内時計の制御にかかわっている。 研究チームは「サンゴはこのセンサーで、(紫外線に近い)満月の青い光を感知し、繁殖のタイミングを合わせている」という。
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