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27病院の43科が休廃止か縮小

2007年10月20日

 県内の27病院が05年4月以降、医師数の不足などを理由に、43の診療科を廃止や休止、縮小したことが、県医療政策課による各保健所に対する聞き取りでわかった。43科の内訳は、産婦人科が最も多い14科で、小児科の6科が続く。時期的には今年に入ってからが17科を占めており、産科医や小児科医を中心に、勤務医不足の影響が急激に出てきていることが改めて明らかになった。

 調査対象は病院のみで、診療所は含まない。産婦人科や小児科に続く内訳は、整形外科4、麻酔科3、眼科2、循環器科2、精神科2などの順だった。休廃止や縮小を迫られた27病院の地域別は、北信6、東信7、中信8、南信6で県内全域に及んでいる。

 産婦人科については、ほとんどが分娩(ぶん・べん)に関する休廃止・縮小。縮小は、県外からの電話による申し込みは断るなどして里帰り分娩を制限(佐久総合)したり、予約制にしたりするなどの方法が取られている。

 すでに休廃止・縮小した以外にも、県立須坂病院(須坂市)と昭和伊南総合病院(駒ケ根市)が今年度いっぱいで分娩の扱いを休止する方針をすでに決めている。

 県医療政策課によると、県内の病院数は138で、今年8月末時点で88病院が計359人の医師の求人を出している。04年に医師の研修制度が変わって研修先の病院を自由に志望できるようになって以降、へき地以外の中核病院でも、勤務医不足の現象が表れるようになった。

 特に産科や小児科は訴訟リスクが高く、拘束時間が長いとされていることから敬遠される傾向にある。厚生労働省の調査によると、94年から04年に県内の医師総数は3349人から4019人に増えている一方、産婦人科医は188人から184人に減少した。

 医師の減少で1人当たりの負担が増加し、労働環境がますます過酷になっている現状を受け、県は昨年10月に「県産科・小児科医療対策検討会」を設置。今年3月には「緊急避難的に、地域の中心的な病院にある程度の医師を確保する『集約化・重点化』が必要」との提言を出している。

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