2007年10月21日 0時38分更新
医療事故への対応について考えるシンポジウムが、20日、大阪で開かれ、事故で家族を亡くした遺族らが「万が一、事故が起きた場合、医師は真実を話してほしい」と訴えました。
シンポジウムは医療事故で家族を失った遺族や医師、それに弁護士などでつくる「医療の良心を守る市民の会」が開きました。
はじめに会の代表で病院の点滴ミスで妻を亡くした永井裕之さんが「医師不足の深刻化から『医療崩壊』と言われ、医療事故などすべての問題をこの中に含めてしまう風潮が心配です。良い医療を実現するために医療者と患者が協力していきましょう」とあいさつしました。
この後、3年前、入院先の病院で人工呼吸器が外れる事故で夫を亡くした大阪・松原市の北田受云子さんが事故直後から病院側が説明や謝罪をし、その後もきめ細かな対応があったことを紹介しました。そして「医療機関側の対応によって被害者の気持ちは変わってきます。事故で被害を受け、それ以上つらい思いをしないためにも、医療側は真実を話して謝ってほしい」と訴えました。
医療事故をめぐっては厚生労働省が手術などの診療中に患者が死亡した場合、第三者機関が原因を調べる新しい制度の骨子をまとめ、来年の通常国会に法案の提出をめざす動きが出ています。