IAEAが核施設情報を検証、イスラエルによるシリア空爆
2007.10.20
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20:01
JST
- CNN/AP
ウィーン――イスラエル軍機が今年9月6日、シリア東部にある「戦略施設」を空爆した問題で、国際原子力機関(IAEA)が爆撃現場の写真を入手、核関連施設につながる証拠の分析を開始したことが19日分かった。AP通信によると、IAEAの複数の外交筋が述べた。
同施設をめぐっては北朝鮮が協力した核施設との見方が浮上している。シリアは国内の核関連施設の存在を否定、空爆については軍が使っていない建物が標的だったと述べている。北朝鮮も核協力を打ち消している。ただ、欧米メディアはイスラエルの情報などを引用、核施設説を報じている。
米紙ワシントン・ポストは最近、米政府高官の情報として砂漠地帯にあるこの施設は小規模だが北朝鮮の原子炉と似た特徴を持っているとも伝えていた。
一方、イスラエル政府は空爆について沈黙してきたが、10月初旬、初めて事実を確認、シリア内部にある軍事上の標的を攻撃したと発表していた。空爆は、シリア軍が9月6日、イスラエル軍機が5日夜から6日朝にかけシリア領空に侵犯、対空砲火で撃退したと発表したことで明るみに出ていた。
IAEAによる空爆現場の画像の入手方法、画像の内容などは不明だが、外交筋は商業衛星の撮影であると指摘。初期の分析結果では、核関連施設であることを示す形跡はないと判断したが、さらに詳しく調べているという。
IAEAの空爆現場画像の分析が事実なら、独立した機関による標的となった施設の役割で初めての真相解明となる。
外交筋によると、空爆後、IAEA関係者がウィーン駐在のシリア外交官と接触したが、同国の核計画の存在を示す情報などは伝えられなかった。シリアは核不拡散条約(NPT)に調印し、これまで同国内に唯一ある出力27キロワットの原子炉の査察をIAEAに認めたことがあるという。