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「やればできる!!」 飯山の保育士が自費出版

10月13日(土)

「やればできる!!」を自費出版した保育士の梅沢香代さん。園児と接する日々で感じたことを筆ペンで表現した=飯山市「めぐみ保育園」

 飯山市南町の「めぐみ保育園」の保育士、梅沢香代さん(34)=飯山市飯山=が、園児と接する日々で感じたことをつづった本「やればできる!!」を自費出版した。はがき大の本から取り外せる一枚一枚に記した言葉の数々。そこには優しさや激励を込めてあり、大人にも響くメッセージになっている。

 「くじけそうになったら なきそうになったら ゲンコツつくってゴックンってのむといいよ!!」

 けんかした友達に素直に謝れず、園庭に一人でいる男の子。気持ちを分かってもらえず、ふさぎ込んでしまった女の子…。そんな子どもたちに向けて考えた言葉を、3年ほど前からはがきに残してきた。

 毎年11月に開く「保育園まつり」で、関係者による「趣味展」に作品を並べたところ、子育てに悩む母親らに好評だった。「大勢の悩みに対等に応じるのは難しい。だから本を出版して少しでも多くの人を勇気づけたかった」。自費出版の動機をそう話す。

 筆ペンの筆圧は意識しなくても、弾んだ気持ちなら力強く、悲しいときはかすれるという。文字の大きさや形が生き生きと変わり、感情を率直に表現した日記のようでもある。

 同保育園勤務は15年目。年長や年中の園児を中心に計約70人をこれまでに受け持った。初めて接した園児たちは現在は18−19歳になる。「卒園した子たちにも『香代先生は頑張ってるよ』と本で伝えたい」

 子どもや保護者は、親しみを込めて梅沢さんを「赤鬼より怖い」と評する。それは「しかることがしっかりできる保育士」を目指す梅沢さんにとって最高の褒め言葉。「真剣にしかれば、その分だけ子どもも応えてくれる」と自分に言い聞かせている。

 「やればできる!! そうおもうだけでも なんだかつよくなれる!!」。本の題名は、自分を勇気づけるのに大切にしていた言葉を選んだ。挑戦しようと思うことが大切−。そんな考えが「いつかやろうと思っていた出版に踏み出すきっかけになった」とほほ笑む。

 初版500部。724円。全国の書店などで販売している。問い合わせは発行元の新風舎(電話03・3568・4946)へ。