厚生労働省は19日、中央社会保険医療協議会の小委員会で、精神障害のある20歳未満の患者について、診察が一定時間を超えた場合などに医師の報酬を加算する08年度診療報酬改定案を示した。自殺防止の観点から、うつ病など精神障害を疑われる患者を診たかかりつけ医が、患者の同意を取り付けたうえで精神科医に紹介すれば、報酬を加算する案も示した。中医協で自殺予防策を議論する初のケースとなった。
精神障害のある小児を診察する際、医師はカウンセリング料を受け取ることができるが、1年(月1回)が限度。また精神療法(通院)時の加算も半年で打ち切られる。しかし、未成年の場合治療が1年を超え、1回の診察時間も長時間に及ぶ例が少なくない。そこで期間の上限を延長し、1回の報酬についても、診察時間に応じた加算措置を設ける方針を示した。
一方、自殺防止策に関しては、精神科医が自殺未遂者の外傷を治療する救急医療をした時に、報酬加算する考えも示した。【吉田啓志】
毎日新聞 2007年10月20日 東京朝刊