『帝銀事件 死刑囚』
1964年 監督:熊井啓/出演:信欽三、内藤武敏
いまだに謎の多い、昭和23年に起きた大量毒殺事件の犯人に仕立て上げられたテンペラ画家の平沢さん。戦後のどさくさで色々な事が闇に葬られたらしいのですが、真っ先に疑われたのが軍関係者、次に美術関係、というあたり、立場の曖昧な人間はどうやって自分を証明すべきか、考えさせられます。(109分)
『大巨獣ガッパ』
1967年 監督:野口晴康/出演:川地民夫、山本陽子
この作品の特徴は、何十回と出てくる「ガッパ怒る」という子どもの台詞が、すべての現象を言い表してしまう言葉の妙でしょう。こういった作品の再評価があまりにも遅いため、最近タランティーノが発掘して偉そうにしていますが、国民全員が「ガッパ」を見てタンティーノ封じをすべきでしょう。(84分)
『私が棄てた女』
1969年 監督:浦山桐郎 出演:河原崎長一郎、浅丘ルリ子
大人はいろんな人と付き合って最終的に結婚するものですが、相手が望んでいてもこっちは飽きた、という場合は自動的に棄てることになるわけで、自分の経験を思い出すと切なくなります。こんな切ない思いをわざわざ、金払って、しかも家族一緒に、反省しながら見ることをお勧めします。(116分)
『八月の濡れた砂』
1971年 監督:藤田敏八 出演:広瀬昌助、村野武範
学園祭で、こんな濡れ場バリバリの映画をかけてしまった先生がいて、僕の通っていた男子校は煩悩のパニックに陥りました。70年代のふぬけたフォークじゃなく、SEX、ヴァイオレンス、ロックンロール、という勢いが小気味よい。テレサ野田が大好きで、以来センター分けの女性に弱い気がします。(91分)
『バージンブルース』
1974年 監督:藤田敏八 出演:秋吉久美子、長門裕之
野坂昭如の主題歌♪ジンジンジン血がジンジンジン、は何のことかさっぱり分からなかった中学時代。サングラスがかっこよくて真似した僕は今中年です。これは中年限定の話です。若い女子大生と付き合うことで青春を取り戻せるのでは、と思っているオッサンの、切ない物語です。(99分)