ニュース1億5000万人の「国営仮想世界」、中国が計画 日本にも参加呼び掛け中国政府が1億5000万人のユーザーを見込む国営3D仮想世界を構築する。公認RMTシステムなども整備し、ECの世界的拠点に育てる狙いのようだ。日本を含む各国の企業に参加を呼び掛ける。2007年10月18日 10時57分 更新
中国政府が、インターネット上に世界最大規模の3次元仮想世界を構築する。高い娯楽性で大量の個人利用者を集めるとともに、仮想空間での利用者の活動をマーケティングなど現実の経済活動に活用できるビジネスモデルを売り物に、日本や欧米の企業を誘致する。将来は電子商取引で欧米企業をしのぐ一大拠点に育成する計画だ。関係者らが今月下旬に来日し、日本企業にも参加を呼びかける。 仮想世界は、中国政府の第11次5カ年計画(2006〜10年)に建設方針が盛り込まれた北京五輪会場敷地内の商業・娯楽複合施設、「サイバー・リクリエーション街区」と一体化した事業として2008年7月以降に本格始動するとみられている。 仮想世界の運営主体である国営企業、北京サイバー・リクリエーション街区開発は先週から米国、台湾、豪州で企業向け説明会を開いており、日本でも24日から関連企業に参加を呼びかける。月内に英国、スウェーデン、韓国も歴訪する。 同社の発表では、同事業により当初中国国内で約1万人の雇用創出と、年間売上高10億ドル(約1160億円)を見込む。個人利用者700万人でスタートし、将来的には米リンデンラボが運営する仮想世界「セカンドライフ」の約1000万人の15倍に当たる1億5000万人を目指す。 個人利用者は仮想世界に無料で参加でき、「ドットマン」と呼ばれるアバター(仮想世界の分身)を通し、他の利用者との会話や買い物、ゲームなどさまざまな活動を楽しむことができる。 企業向けには、現実の仮想通貨と現実通貨との交換システムや通信システムなど、仮想世界で企業が活動するうえで必要なインフラの整備を急ぐ。個人利用者が仮想世界でどんな消費行動を取ったかなどのデータを、進出企業が把握できる機能も提供。現実の生産、販売活動に活用できる利点を強調している。 中国政府は将来的に、仮想世界を電子商取引の世界的拠点に育成する狙いとみられる。 仮想世界事業などの新興ネットサービスをめぐっては、各国政府が仮想通貨の管理などさまざまな規制を検討しており、この面での制約を受けない国営事業は欧米企業との競争で優位に立てる。将来的に米ネットオークション大手、イーベイをしのぐとの見方もある。 ただ、中国政府はネット上での言論などに一定の規制をかけており、企業側にはネット上での安定的な活動の保証に対して不安もありそうだ。 関連記事
[産経新聞] copyright (c) 2007 Sankei Digital All rights reserved.新着記事
|