2007年 11月 14日
当ブログに対する栃木県弁護士会からの抗議とそれに対する回答

(ブログ管理者よりお知らせ : こちらの記事が、少し先の日付となっているのは、
最新の記事としてしばらくの間掲げておくためで、誤りではありません)

先だって、少しお話したように、2007年8月29日付の当ブログに対して、9月18日付で栃木県弁護士会より、以下のような抗議が来ました。
通知書が当事務所に届いたのは、9月20日です。


2007/9/18付 「ご通知書」PDFリンクページへ


それに対して翌9月21日、私は以下のような回答兼質問書を発しました。
(注:文中の「宇都宮東署」は、全て「宇都宮中央署」の誤記です。)
2007/9/18付「ご通知書」に対する、2007/9/20付 橋下からの回答書
PDFリンクページへ




また、本件をうけ、弁護士会の持つ権限について、
以下の照会書を日弁連(日本弁護士連合会)に送付し、
現在回答待ちの状態です。

2007/9/21付 日弁連への照会書 PDFリンクページ


平成19年9月28日付(明日付で書かれており、後日郵送されてきますが、
本日FAXで先に送ってもらいました)で日弁連より回答が来ました。

2007/9/28付 日弁連からの回答書 PDFリンクページ

この回答書によると、「弁護士会は所属弁護士の名誉を守るために抗議活動を行える、そしてどの弁護士のどのような名誉を守るかどうかは、すべて弁護士会の自由裁量であり基準はない」とのこと。これが弁護士自治らしい。
もう弁護士自治も終わったね。
こんなことを許したらどういうことが起きるか。
弁護士会に文句を言わない、嫌じゃない弁護士のためなら弁護士会も必死になって動く。
だけど、弁護士会に文句ばっかり言って、弁護士会にとって嫌な弁護士のためには何もしない。する、しないは、弁護士会の判断なんだって。
弁護士自治も全く都合がいいもんだぜ。
そんな団体なら強制加入団体なんかにすんなよ!!


で、今回、栃木弁護士会より下の「ご通知書(2)」が送られてきました。

2007/10/10付 「ご通知書(2)」 PDFへのリンク

何か議論がかみ合わないなと思っていたら、呼び鈴の認識が違うことが判明した。

栃木弁護士会が問題にしている僕の2007年8月29日付ブログの表現は、
「3、最近の事例。栃木県宇都宮中央署の面会室で、保険金殺人の有力容疑者が、弁護人との面会後に自殺した件。」
における「面会後呼び鈴を押すことになっていたことを知っていた」と部分。
栃木弁護士会は、接見を知らせるためのベルはなかったということを強調する。
僕は自分の経験から留置係にはベルがあることを知っていたので、それを鳴らさなかった弁護士を批判した。
またベルがなくても留置の担当官に一言挨拶べきであったと。
弁護士会の方が、ベルがなかったなかったと、メディアの報道は誤報だと強調するけど、その誤報とやらも全く報じられず。

理由がわかったよ。

弁護士会が言っているベルは、「接見終了を知らせるための」専用のベルがなかったと言っている。
僕が念頭に置いていたのは、通常のベル。
この差だったんだ。
僕も大阪で夜間接見に行くことがあるけど、接見室内に「接見終了を知らせるための専用のベル」なんて意識していない。
確かに担当者の方から、ベルを鳴らして下さいと言われることもあるけど、言われない場合もある。
ただ、留置係の執務室のところに、インターフォンがある。それを押して担当者に出てきてもらい、
接見を開始し、終了すればそれを押して担当者に知らせる。
この行動を念頭に置いて、栃木弁護士会所属の当該弁護士を批判したんだ。
栃木弁士会の言うような、「接見終了を知らせるための」電子ベルやその他「接見終了を知らせるための」物的設備はなかったんでしょうよ。
そんなの僕も大阪で意識なんかしていない。
ただし、ベルはあったんだろ!!
そこを誤魔化すなよ!!
今回のご通知書(2)3ページで、「第1報は明らかに誤報ですが、他方、夜間受付用のベルが別途存在していました。」とある。

僕が言いたいのはここなんだよ!!

なぜそれで接見終了を知らせなかったんだってことだ。
その点の批判を考慮して、弁護士会は所属弁護士にアンケートをとって、夜間受付用のベルを
用いて接見終了を知らせてくれと警察に要請されたことはないとか、警察も夜間受付用のベルを
接見終了の連絡に流用との考えは持っていないとか御託を並べる。
僕はそういう弁護士の態度を批判したんだ。
警察から要請されていようが、いまいが、何か人にものを頼んで(接見の事務手続き)それが終わったなら、
ちゃんと挨拶しなさいよということ。夜間受付ベルがあればそれを押せばいいだけ。
ベルの存在をアンケートに答えた弁護士全員が知らなかったとかそんなのは知ったこっちゃない。
誰もが気付かないような所にベルがあったなら話は変わるけど、弁護士会は、
ベルの位置については何も答えちゃいないし、僕の取材では、留置執務室のところに、
まあ普通に見ればわかる形でベルが存在している。
だから、それを押せよという話。
警察から要請されていないとか、法律上の手続きではないとか、そういうことではなくて、
いわゆる人としてのマナーを論じたまでだ。
それでね、弁護士会は誤報、誤報と叫ぶけど、誰も取り合ってくれないわけ。
それはね、弁護士会が勝手に「接見終了を知らせるための」ベルと、ベルに限定を付けているんだ。
弁護士会の主張する第一報は「同署によると、通常、面会を終えた弁護士は接見終了を知らせる電子ベルを鳴らすが、」
というものらしいけど、僕が参照した読売新聞の記事は

「接見後にベル」弁護士全員が知らず…保険金殺人被告自殺 08/22/07(読売新聞)
 栃木県さくら市の保険金目的殺人事件で、主犯格の自動車販売修理業小林広被告(58)が宇都宮中央署で弁護士との接見直後に自殺した問題で、同県弁護士会は21日、同署での接見方法などを所属弁護士に聞いた調査結果をまとめた。

 呼び鈴を鳴らし接見終了を知らせていた弁護士は1人もおらず、弁護士の退室後に容疑者が一人になる「空白時間」が常態化していたことが裏付けられた。

 同署は当直時に接見終了を知らせる方法として〈1〉容疑者が申告〈2〉弁護士が申告〈3〉執務室前のベルを弁護士が鳴らす――があると主張していた。

 同会は〈1〉呼び鈴の設置を知っているか〈2〉警察から鳴らすよう要請されたか〈3〉接見時に鳴らしたことがあるか――を109人の弁護士に質問し、同署で接見経験がある54人が回答。いずれの質問も該当者はなかった。

 同署は自殺事件後、面会室内にベルを設置したり、弁護士の退室を確認したりするなどしており、同会は「しばらくは県警の改善策を見守りたい」としている。 」



という内容。

ここでのベルは、「執務室前のベル」とういことで、「接見終了を知らせるための」ベルとは言っていない。
そして、弁護士会も夜間受付のベルを認めており、そうなるとこの記事の「執務室前のベル」は夜間受付のベルを指し、誤報でも何でもない。
だからメディアも取り合ってくれないんじゃないのか。
あとは解釈の問題になってくるよね。
弁護士会の方は、「接見終了を知らせる」ベルは存在せず、接見終了後それを押すことにはなっていない。との主張。
警察署の方は、執務室前のベルを鳴らすことになっていた。との主張。
常識的に考えれば、執務室前にベルがあればそれを鳴らすのが当然でしょ。
警察に言われるまでもない、人としての常識。
だから、常識的な感覚でもって、この記事を読めば、弁護士会によるアンケートも、執務室前のベル、
つまり夜間受付のベルを前提としたものと考える。
そうなると、栃木県弁護士会の弁護士全員は、執務室前のベル=夜間受付のベルを知らなかったと答えたと考えるのが普通であり、それを僕は批判した。

栃木弁護士会のアンケートは、何についてアンケートをしたんだ?
接見終了を知らせるための専用ベルについて、その存在を知っていたか?
警察にそれを鳴らすように要請されたか?使用したか?とアンケートすれば、
そのような接見終了を知らせるための専用ベルなど存在しないのだから、皆なしという回答になるだろう。
そうではなくて、夜間受付ベル=執務室前のベルについて、その存在を知っていたか?
警察にそれを鳴らすなど要請されたか?使用したか?のアンケートをしたと、僕は思っていたから、
僕だってしょっちゅう使っている夜間受付のベルについて、その存在は知らないとか、
警察に要請されたことがないとか回答した栃木弁護士会所属弁護士を批判したんだ。
栃木弁護士会よ、アンケートはどっちだったんだよ?
接見終了を知らせるための専用ベルを前提にしていたんだったら、そんなアンケートは意味もないアンケート。
もともと存在しないベルなんだから。
もし執務室前のベル=夜間受付ベルを前提としていたなら、もう一度言うけど、その存在を知らないとか、
警察に要請されなかったというのは言い訳以外の何物でもない。
唯一、人としてのマナー違反が免責されるのは、その夜間受付ベルがどうやっても見えないところに設置されていた場合だけ。
だけど、気になるのは、夜間に接見する際、大阪だったら必ず夜間受付のベルを鳴らして担当官に出てきてもらう。
夜間受付ベルの存在すらアンケートに答えた栃木弁護士会の所属弁護士は知らなかったというのかね。
この点、栃木弁護士会のご通知書(2)3ページは、微妙に濁していて、
夜間受付ベルの存在をアンケート回答弁護士が知っていたかどうかははっきりとさせていない。
はっきりとさせているのは、警察から夜間受付ベルを用いて接見終了を知らせる要請はなかった、
警察もそのような意図はなかったという点のみ。
もし、夜間受付ベルの存在を弁護士が知っていたなら、また普通の注意を払えば知り得たのに
それを知らなかったというのであれば、完全に弁護士の責任だよ。
それが僕の主張。
なんでこんなにかみ合わないのかすっきりとした。
僕のブログの呼び鈴は、栃木弁護士会が言っているような、「接見終了を知らせるための」専用ベルではない。
通常の呼び鈴。執務室前にある夜間受付用のベルのこと。
一般的な常識人はそのように感じている。
そうであれば、僕のブログには何も事実誤認もないし、批判だって常識を逸脱していないと思う。
相互に前提事実が異なるとそりゃ主張もかみ合わないけど、あとは、弁護士会の言うように、
接見終了を知らせるための専用ベルが存在しなかったことをもって弁護士に責任がないと言うのか、
僕が言う、一般の夜間受付ベルが存在したんだからそれで連絡しろよと言うのか、
どちらが常識にかなうのかは世間の皆様のご判断にお任せします。
弁護士会の言う誤報はどれを指して言うのか知りませんが、少なくても僕が参照した読売新聞の記事には誤報はないでしょう。
繰り返しになりますが、警察が、夜間受付ベルで接見終了を知らせることになっていたと考えていたことがいいのか悪いのかになりますが、
そりゃ、ベルがあれば、それで知らせてくれよと考えるのが一般的な感覚でしょうね。

他方、当該弁護士は当直に挨拶をしていたそうです。
この事実は、僕は報道等では確認していません。弁護士会の主張です。
この点、この当直の意味が、留置係りの当直なのか、警察署一般の当直なのかはっきりしなかったので、
僕は弁護士会に質問をしましたが、弁護士かは、それは僕の方で確認しろだって。
こんな態度で、どこのメディアが誤報を認めるって言うんだろうね。
弁護士会からクレームが来ればすぐに応じるとでも幻想を抱いてるんでしょう。
どこまでエラそうなんだろう。
僕も自分の申告漏れについての報道について産経新聞に訂正記事を掲載させたけど、
まあ大変だったよ。これが現実の世の中。
僕だって、日常生活において見聞きする新聞の情報によって色々論評するんだから、新聞記事に出ていないことは教えてくれないと分からない。
しかも僕のブログは、担当の警察官に挨拶しないことを批判している。
担当の警察官に挨拶したなら、僕のブログは事実誤認。
ところが、弁護士会の言うように、当直に挨拶しただけなら、僕のブログに事実誤認はない。
あとは当直と留置担当の関係だけが問題。
僕は、常識的に、接見が終われば、その旨をもう一度留置の人に伝える。
そうでないと、接見室に被疑者が取り残されるから。
当り前の配慮でしょ。
それをしなかった当該弁護士を批判した。
もし、当該弁護士が挨拶をした当直が留置の当直だったり、留置担当官を呼び出しても
誰も出てこなかったから仕方なく警察署一般の当直に挨拶をして、
留置に接見が終了したことを伝えてほしいと言っていたなら、当該弁護士の責任はなくなるんだろうね。
それはきちんとクレームを出してもらわないと分からない。
そこまで表現者である僕が調査しろと弁護士会が言うなら、そこまでの調査権を認めるのかってんだ。
報道では、留置担当者が接見終了を聞いたとの事実は出てこない。
だから、この事実を前提に批判した。
また、自分の経験に基づく一般的な感覚も基礎となっている。
警察に夜間接見に行けば、一階にまず当直の人が座っている。警察署に入れば挨拶する。
そして留置係に行って、留置担当官によって接見の事務手続きを行ってもらう。
接見が終了すれば留置担当官へ連絡して、被疑者を収監してもらう。そして、警察を出る時には、もう一度入り口前の受付に座っている当直の人に挨拶をする。
この当直と言う人は、入口を入ってすぐに座っている人を一般的に指す。
この人たちへの挨拶は、通常、警察署へ出入りするための挨拶。
接見が終了して、警察を出るときに、当直の人に挨拶をしても、そこから留置係へ何かの連絡が行くことなど期待していない。
それが僕の一般的な感覚。
だから、今回の当該弁護士が、警察署を出る際に、当直へ「留置担当官を呼び出したが出てこない。
今接見室に被疑者が一人になっているから、留置に連絡しておいてほしい。」と言っていれば、当該弁護士の責任はなくなると思う。
その点については弁護士会は何も回答しないからしょうがない。

まあ、今回の栃木弁護士会とのやり取りで、弁護士会の感覚と僕の感覚の違いがはっきりした。
まさか呼び鈴に「接見終了を知らせるための」と限定を付けていたとは思いもよらなかった。
僕の感覚では、よび鈴は、そのまま呼び鈴。執務室前にある夜間受付ベルのこと。それで連絡をしなかった弁護士が悪いという感覚は、常識はずれなんでしょうかね。

いずれにせよ、僕のブログでの呼び鈴は、夜間受付ベルのこと。事実誤認はありません。
そして夜間受付ベルを用いて接見終了を知らせるということは、警察に要請されるかどうかは関係ない。
誰に言われるまでもなく、人にものを頼んで終われば、挨拶をするという一般的な感覚に基づくものだから、
弁護士会の言う、夜間受付ベルを用いて接見終了を知らせることにはなっていなかった、
僕の言う、夜間受付ベルを用いて接見終了をしらせるべきというのは、見解の相違にしか過ぎない。

ぐだぐだと再発防止がどうのこうの言っているけど、今回の事件を二度と起こさないための
決定的な再発防止策は第一に「弁護士に、人としての挨拶を学ばせる」、以上。
設備がどうのこうの言ってたら、またその設備が不十分だったとかきりがない。
人にものを頼んで、それが終われば、「その人に」きちんと挨拶をする。
小学校で習うことだよ。

それと一言。
栃木弁護士会のような田舎の弁護士会は全くうらやましいよ。
所属弁護士会の一人の弁護士のために、わざわざ会をあげてここまで抗議活動をやってくれるんだからさ。
大阪弁護士会なんて、僕が誤報やいわれのない誹謗中傷を受けても何もやってくれないよ。
全部自分で処理しなきゃならない。
田舎の弁護士会はほかにやることがないのかね!!

by hashimoto-lo | 2007-11-14 10:56


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