2007年 11月 13日
懲戒請求を受けた弁護士が、懲戒請求をした一般市民に対して直接接触することはあってはならないというのが僕の意見ですが、 今回の今枝弁護士の行為について同様の見地より、多くのメディアから取材依頼がありました。 ほぼ同趣旨の質問事項でしたので、代表的な質問・回答を掲示します。 求釈明書を受け取った皆さん、懲戒請求を受けた弁護士が、請求した一般市民に直接コンタクトを取ることは、 世間の常識では違和感をおぼえることです。こんなことを許したら、一般市民は懲戒請求をすることをためらいます。 そうなると国からの監督権限が及ばない弁護士の暴走を止める手段が全くなくなります。 今枝弁護士も自身のブログの中で、弁護士会に求釈明を要求したところ、 弁護士会は請求者たる皆さんへの問い合わせは不要と回答したと自認しています。 弁護士会が判断するにあたって、今枝弁護士の質問事項は不要なわけです。 にもかかわらず、皆さん方に求釈明書なるものを送りつけたことは、完全な脅しでしかなく、 この点、多くのメディアも疑問を抱いたようです。 なお,懲戒請求を維持するかどうかは,本ブログでの僕の意見や今枝弁護士に訴えられている 僕の裁判での答弁書などを参考にじっくりと検討の上,皆さんのご意思で判断して下さい。 メディアからの質問をまとめると ①求釈明書を今枝弁護士が送付するにあたって、懲戒請求者の居住地など個人情報を入手することが不可欠だと思うが、 今枝弁護士はどのように手に入れたと思われるか?仮に正規の手段で入手したとしても、 こういうデータは、請求者と懲戒請求を受けた弁護士が敵対関係にある場合、 請求者にとって相手方に渡るのは不本意な場合が多いと考えるが、 こういう情報を懲戒請求を受けた弁護士が持っている現状をどのように考えるか? ②このように懲戒請求を受けた弁護士が、一般市民たる請求者に求釈明書を送ったケースを聞いたことがあるか? ③橋下弁護士としての、この今枝弁護士の行為に対する今後の対応は?現在はHPで説明などをしているが、 弁護士として今枝弁護士に何らかの対応を取らないのか? それに対する僕からの回答は以下のとおりです。車での移動中に作成し, 取材への回答という性質上,誤字脱字チェック・校正はしておりませんので, その点ご了承下しさい。 時間の関係上,誤字脱字のチェック,校正はしておりません。読みにくいかと思いますが,ご了承ください。 ①一般市民が弁護士会に提出した懲戒請求書を,弁護士会がそのまま無思慮に請求対象弁護士に渡している。 そこには,請求者の住所・氏名が明記されたまま。弁護士会が馬鹿丸出し。 懲戒請求制度が全く整備されていない。懲戒手続きにおいては,請求者と請求対象弁護士は対立構造にない。 懲戒請求は,弁護士会の職権発動を促す申立てにほかならない。 当事者が対立構造にある民事訴訟とは異なるので,懲戒請求書を請求対象弁護士に送付する必要はないし,送付しては絶対にならない。 懲戒請求に基づいて,弁護士会が職権でもって審査するだけ(弁護士法概説第2版250頁・高中正彦著・三省堂)。 対立構造になくても,両者は敵対関係になる。一般市民からの懲戒請求は,公益通報と同じで, 請求者の秘密を絶対に守らなければならない。 そうでなければ,弁護士の不祥事を告発する者などいなくなる。 現に,今枝弁護士が一般市民に攻撃をしかけている。弁護士は弁護士自治に守られ, 一般市民は監督官庁を通じての弁護士業務の是正申し立てはできず,懲戒請求を利用するほかない。 いったい弁護士会は何を考えているのか!!偽善に満ちた似非人権団体である。 結局,弁護士会は一般市民からの懲戒請求が広まることを好まない。 弁護士自治を認める代わりの一般市民からの懲戒請求であるにもかかわらず,一般市民からの懲戒請求を抑えつけようとしている。 本当に懲戒請求を機能させるのであれば,請求者が特定される情報を請求対象弁護士に知らせてはいけない。 当然のこと。最高裁も,民事訴訟において懲戒請求の違法性を平成19年4月24日判決で認め, 請求対象弁護士から請求者への損害賠償請求を認めているが,この点の思慮が全くない。 懲戒請求が告発制度に類するのであれば,請求者の特定にかかわる情報は弁護士会は死守しなければならない。 メディアが取材源を秘匿するのと同じ。そうであれば,請求対象弁護士から請求者への損害賠償請求はあり得ない。 最高裁平成19年4月24日判決の事例は,確かに理由のない懲戒請求であった。 しかしそのような理由のない請求等に関しては,弁護士会が虚偽告訴罪で告発するほかない。 それが弁護士会の役目。そしてこのような理由のない懲戒請求をふるにかけ,弁護士に過度の負担を課さないようにするのが綱紀委員会制度。 理由のない懲戒請求によって,請求対象弁護士がいわれのない負担を被っているというのであれば, それは綱紀委員会が機能していない証拠。弁護士会は懲戒請求制度について真剣に考えていない。 その態度が一番よく分かるのが,各弁護士会における懲戒請求に関する受け付け態度。 弁護士法上の制度であるにもかかわらず,きちんとした受付窓口もないし,説明をしてくれない。 それどころか,一般企業ではあり得ないマナーの悪さらしい。 弁護士会の受け付け態度が極めて不遜で横暴極まりないとの一般市民からのクレームが,当事務所に多数寄せられた。 数百件ベースで。弁護士会に代わって,当事務所が謝罪した。貴社の方から,取材目的を秘匿して, 弁護士会へ「ある弁護士に対して懲戒請求したいがどうすればいいか?」と問い合わせの電話をして頂きたい。 いかに弁護士会が一般市民を馬鹿にし,横暴極まりない態度をとっているかがよく分かる。 特に光市母子殺害事件弁護団に対する懲戒請求に関しては,弁護士会はその請求を止めさせようとすらする。 ②私自身は聞いたことがない。私もメディアに出演する機会があるので,その発言をめぐって多くの懲戒請求を受けている。 理由のないものには対応しない。弁護士会がきちんと処理してくれることを期待しているのだが, 弁護士会は,私に対しては徹底的に,要らぬ労力を要求してくる。私は一切無視しているが。 私は請求者に対して接触することはあってはならないと思い,請求者に対しては何もしていない。 正直腹も立つことがあるが,法律上の制度である以上仕方がない。ただし,一般市民に法律を振りかざす弁護士は, このように懲戒請求者に圧力をかけているであろう。何よりも,今回の騒動は,懲戒請求者の請求が民事上違法となり, 損害賠償請求の対象となり得るという最高裁の裁判例が一番悪い。 私の裁判の答弁書で詳細に記載したが,理由のない懲戒請求については弁護士会がしっかりとふるいにかけ, 弁護士の負担にならないようにすればいいだけなのである。 その制度が綱紀委員会制度であって,理由のない懲戒請求によって請求対象弁護士がいわれのない労力を被るというのであれば,綱紀委員会制度が機能していない証拠。 綱紀員会があるのであるから,一般市民の懲戒請求を制限するような法律解釈があってはならない。 最高裁の田原裁判官(大阪弁護士会の弁護士出身)は,補足意見で,懲戒請求されただけで, 弁護士の信用が害されると,現実を無視した机上の論をもとに意見しているが, 懲戒請求されただけで弁護士の信用が害されるわけがない。 不当な請求については弁護士会がきっちりとブロックをすればいいだけなのに, 弁護士会は馬鹿だから何も分かっていない。請求があれば馬鹿の一つ覚えのように手続きを開始して, 弁護士会の評判を気にする弁護士はせっせと弁護士会からの呼び出しに応じる。 だから,請求対象弁護士は,請求者に圧力をかけるようになる。そして最後は損害賠償請求訴訟となる。 最高裁も含めて,弁護士自治というものを絶対神聖化していることから,このような馬鹿丸出しの判断となっている。 綱紀委員会が,きちんと不当な請求と正当な請求を選別すればいい。 一般市民が懲戒請求を委縮するような制度にしてはならない。一般市民からの懲戒請求は法律上の制度。 請求は無制限に認め,綱紀委員会でしっかりとふるいにかければいい。 ③私自身は求釈明書を送り付けられた当事者でないので,今枝弁護士に対して,損害賠償請求などはできない。 求釈明書を送り付けられた人から,今枝弁護士に損害賠償請求訴訟を起こしてくれと依頼されれば, 弁護士業務として条件が合えば当事務所の弁護士が代理人になることは吝かでない。 私は当事者ではないが,今枝弁護士の今回の行動は,弁護士会の信用を害する, 弁護士として品位を欠く行為であるということで,一般市民として懲戒請求をかけることは可能であろうが, 今回の一連の騒動において,私が懲戒請求していないのと同じ理由で,懲戒請求まではしない。 光市母子殺害事件の一審・二審の弁護士への懲戒請求をしようと思っているが, 弁護士法上除斥期間にかかっているので,そこを突破するのに手間がかかる。この点も弁護士法はどうしようもない欠陥。 弁護士の懲戒請求は3年で除斥期間にかかる。一般市民は弁護士の不祥事を知る由もない。 知ってから3年ではない。不祥事から3年である。そうすると弁護士は不祥事を起こしても, 3年経てばどこからも処分を受けなくなる。 馬鹿げている。 富山の冤罪事件を考えて欲しい。 あの一審担当弁護人は,あれだけ杜撰な弁護活動をやっておきながら,一般市民が懲戒請求をかけても, 3年の除斥期間で不問になる可能性が高い。 日弁連が調査して報告をすると言っているが,処分はできないはず。 こんなことでいいのだろうか。 今回の光市母子殺害事件の1審・2審の弁護士が何もやっていないことは, 世間からの懲戒請求に動かされて,やっと今枝弁護士が事実を説明しだした。 そして今枝弁護士も1審・2審の弁護士に懲戒請求をかけようとしたが,3年の除斥期間にかかっているので止めたという。 とんでもない。 私は,除斥期間の問題点を明らかにするためにも1審・2審の弁護士に対して懲戒請求しようと思っている。 さらに,今枝弁護士等に訴えられている裁判の対応もあり,今回の今枝弁護士の求釈明書を送りつけた行為にまで,対応する余力がない。 それこそ,一般市民の皆様に懲戒請求を呼び掛けるくらいしかできない。 by hashimoto-lo | 2007-11-13 15:28
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