時津風部屋の序ノ口力士、時太山(ときたいざん、当時17=本名・斉藤俊さん)が、けいこ後に急死した問題で、斉藤さんの死因について搬送先の病院の医師が「急性心不全」と診断書に記載したにもかかわらず、県警犬山署の署員が「虚血性心疾患」との報告書を作成していたことが15日、分かった。急に心停止した状態を示す「急性心不全」に対し、狭心症などを含む病名「虚血性心疾患」を記載することで病死の意味合いが強くなるため、県警では違いが生じた経緯について内部調査中。犬山署は「どちらも同じ意味と思っていた」としている。
県警などによると、斉藤さんは6月26日午後1時15分ごろ、心肺停止状態で犬山中央病院(愛知県犬山市)に運ばれ、約1時間後に死亡。遺体を確認した医師は、致命傷になる外傷はないとして、死因を「急性心不全」と診断した。
その際、立ち会った犬山署の刑事課員が同日夜、県警捜査1課への報告で、書類には死因を「虚血性心疾患」と記載していた。捜査1課は報告を受け、遺体の状況などについて問い合わせしたが、既に時津風部屋に斉藤さんの遺体が戻された後だった。
病院は、警察での死因が「虚血性心疾患」となっていたことに気付き同署に「間違っていないか」と問い合わせたが、明確な回答はなかったという。また犬山署は、斉藤さんの死亡直後、事件性の疑いがある「司法検視」でなく事件性のない「行政検視」を行っていたことも判明。死因が病死や自殺と断定できない場合、通常は検視官が刑事訴訟法に基づき司法検視を行い事件性の有無を判断するが、斉藤さんについては検視官でなく、犬山署の刑事課員が行政検視をしただけだった。
|