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県立中央病院:悪質滞納に督促申し立て 財政圧迫、年内にも /茨城

 県立中央病院(笠間市鯉渕)は年内にも、悪質な診療費の滞納者に対し、裁判所に支払い督促の申し立てをする。県立3病院(中央、友部、こども)の診療費の未収金(滞納金)は毎年増え続け、合計額は今年度(7月末現在)1億7800万円に上る。滞納理由の多くは格差の広がりから生じた生活苦とみられるが、県病院局は財政圧迫が限界に達している中、悪質なものに限って強硬手段に出ることにした。【若井耕司】

 3病院合計の未収金は03年度1億200万円、04年度1億1500万円、05年度1億2000万円と増加。06年度は1億5000万円だ。利用者が多い中央病院に集中しており、今年度は未収金のうち1億2400万円分、滞納者件数(延べ)も3病院計4065件中3167件を占める。

 県立中央病院によると、入院費が高額で支払えない▽夜間外来にかかりその後支払いに来ない▽窓口で精算せずに姿を消す、などパターンはさまざま。入院費用がかさみ700万円滞納している人もいるという。

 県は06年4月に県立病院の経営改善を目的に病院局を設置した。滞納者には従来から病院単位で電話や文書での督促、戸別訪問をしているが、態勢も強化。今年度は7月末までで昨年度の実績の2倍の約500戸を戸別訪問し、2100万円を回収している。しかし、県立3病院は02年度から事業収支の赤字が続いており、改善の見通しは立っていない。

 未収金回収への最後通告となる「申し立て」は県病院局が主導し、県立病院関係者らと水戸簡易裁判所で研修をするなど研究を重ねてきた。ただ、同局の調べでは、滞納の理由は「生活の困窮」が82・3%を占める。このため中央病院では支払い能力があるのに支払わないとみられる悪質なケースの選別を進めており、件数は数件にとどまる可能性もあるという。

 県病院局は「生活困窮者から厳しく取り立てるつもりはない。裁判所からの督促が通知された段階で支払ってもらえれば」と話している。

毎日新聞 2007年10月19日

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