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小中学校いじめ642件

2007年10月17日

 北九州市内の小中学校で把握された「いじめ」と疑われるケースが、06年度の1年間で642件あったことが、市教委の調査で分かった。いじめの定義や調査方法を見直したため、21件だった05年度よりも約30倍に増えた。市教委は「(件数増は)定義見直しの結果。早期にいじめの芽を摘み取るよう努めたい」としている。

 □調査法も見直し

 従来は「一方的」「継続的」「深刻な」のすべてを満たすものが「いじめ」と定義されたが、昨年11月以降、いずれか一つでも満たした場合にはカウントするよう見直した。調査方法も家庭訪問や面談を重視した結果、小学校4件、中学校17件だった05年度を大きく上回った。

 内訳は、小学校(133校)が290件、中学校(63校)が352件。いじめの内容は「冷やかし、からかい」が小学校198件、中学校213件とともに最多で、以下「仲間外れや集団による無視」(小学校77件、中学校79件)、「軽くぶつかられたり、遊ぶふりをしてたたかれたり、けられたり」(小学校58件、中学校64件)が多い。新たな項目の「パソコンや携帯電話での誹謗(ひ・ぼう)中傷」は中学校で22件あった。

 発覚したきっかけは、小学校が「学級担任が発見」(78件)が多い一方、中学校では「本人からの訴え」(129件)が最多。642件のうち、年度末に582件が解消されていた。

 市教委では06年11月に「いじめ問題総点検」を実施。全家庭を訪問したり、児童生徒へのアンケートを実施したりして、実態を調査。07年度はいじめ撲滅を目的とした講師を15校に配置するなどの施策を講じている。

 調査は、文部科学省が実施している児童生徒の問題行動調査の一環。筑前町で中学2年の男子生徒が自殺するなどいじめが社会問題化した上、教育委員会の対応の不手際にも批判があったため、調査方法を見直した。

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