知り合いの電気店の主人が「もうぼつぼつハイビジョンの入るテレビはどうですか、安くなりましたが―」と水を向けてきた。「ハイビジョンもいいが、田辺市で地上デジタル放送をやり出してから買うよ」と答えた。 ▽今のアナログ放送は、2011年に地上デジタル放送に切り替わる。そうなると、アナログ放送用のテレビにチューナーを付けるか、新しいデジタル放送用のテレビを買うかしかない。これが全く厄介なことなのである。 ▽総務省が9月に、アナログからデジタルへの進行度合いを示した「市町村別行程表」を公表した。和歌山県をみると、NHKの新たな難視世帯は2290から2820となっている。田辺市では220世帯ぐらいである。 ▽飛びぬけて難視世帯が多いのは印南町だ。総世帯3080のうち、1060世帯が難視とされている。共聴施設の加入者が難視となる割合が高いそうで、総世帯の3分の1に当たっている。ここでは共聴施設の改修費が問題となっているようだ。 ▽総務省では、2011年までにデジタル放送を送り届けられない地域には、暫定的なものとして、衛星を使ってデジタル放送を届けることを検討しているといっている。地方の民放局にも、デジタル化には大きな負担がかかる。あと4年で完全なデジタル放送化は本当にできるのか。難視地域が取り残されないように願いたい。(香)