来春卒業する医大生ら約八千人が臨床研修をする病院のうち、大学病院が占める割合は49・1%となり、三年連続で半数を割り込んだことが十八日、日本医師会などでつくる協議会が公表した「マッチング」結果で分かった。
今回も地方の大学病院の定員割れが目立ち、「雑用が多い」「市中病院の方が経験が積める」などの理由で医局での研修を敬遠する傾向が続いているとみられる。人手が足りず、過疎地に派遣していた若手医師を引き揚げる大学病院もあるとされ、現場では医師不足への懸念が強まりそうだ。
マッチングは、医大生と病院双方の希望を基に研修先を決める方式。二〇〇四年度から義務化された新しい臨床研修制度に伴って導入され、今回が五回目。
研修先に大学病院が占める割合は昨年より0・3ポイント上昇し、二年連続で微増。初めて半数を割り込んだ〇五年以降、低下に歯止めはかかっているが、約70%の研修医が集中していたマッチング導入前と比べると「医局離れ」がほぼ定着した。
マッチングに参加した医大生らは八千三十人で、うち97%の研修先が決定。民間や自治体などが運営する市中病院(九百八十一カ所)は四千八十七人、大学病院(百九カ所)は三千九百四十三人だった。
募集定員に対して確保できた学生の割合(充足率)を大学病院別にみると、充足率が100%だったのは東大、慶応大、神戸大など十八病院。残る九十一病院は定員割れで、弘前大、秋田大、三重大、長崎大など二十三病院は50%を下回った。
都道府県別では、最も高いのは東京の86・7%で、沖縄(85・7%)、京都(81・6%)、神奈川(79・7%)、兵庫(79・3%)が続いた。最も低かったのは島根の42・1%で、次いで富山(42・7%)、鳥取(42・9%)、長崎(46・1%)、山口(46・3%)の順だった。
厚生労働省は同日、ホームページ上でマッチング結果を公表した。アドレスは、http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/10/h1018―1.html
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