医師は全国的に不足していると考える人が6割に達することが、毎日新聞が先月実施した世論調査で分かった。身近で医師不足を実感する人も4割に上る。国は「地域や診療科によっては不足しているが、全体としては足りている」との姿勢で医師数抑制策を続けているが、医師不足感は強まっており、政策転換も求められそうだ。
医師数については、61%が「全国的に足りない」と回答。「一部の地方や診療科では足りないが全体では十分」は34%で、「全国的に多い」は2%。大都市や町村部など都市規模別で見ても、傾向は変わらなかった。実際、日本の人口当たりの医師数は、経済協力開発機構(OECD)加盟国中最低レベルだ。
「身近で医師不足を実感することがある」という人が39%に上る。実感する場面(複数回答)は、「診察の待ち時間が長くなった」が66%で最も多く、▽近くで診察が受けられない32%▽診察にかける時間が短くなった27%▽診察を担当する医師が代わった25%▽診察予約や手術の待ち期間が延びた23%--が続いた。
一方、日本の国民医療費(約30兆円)については、「高い」が63%で、「安い」は23%。対GDP(国内総生産)比でみた国民医療費は先進国中最低レベルだが、「現状程度でよい」が32%で、「さらに削減を」が29%で続く。「増やすべきだ」は28%だった。
調査はアフラックの協力を得て9月7~9日、全国の20歳以上の男女4581人を対象に実施した。回答者は2504人で、回収率は55%。【鯨岡秀紀】
毎日新聞 2007年10月18日 19時11分 (最終更新時間 10月18日 19時32分)
10月18日 | 毎日世論調査:全国の6割が「医師不足」認識 |