2007-10-18 MiAU設立発表会に行ってきた
※これは個人的なメモです。
この内容を利用するに当たって、私の持つ範囲の権利ではどのような利用に当たっても制限しません。
ただし、私が聞いた時に考えた事および解釈の影響が多分に含まれていますので、発表者各人の意図した内容と反する部分などがあるかもしれません。
""や「」の内部も、各氏のお話を私なりに要約再構成してメモしたものであり、実際の発言とは異なる場合があります。
そうしたことを念頭に置いた上で、ご覧ください。
後日公開されるという、YouTubeやニコニコ動画での映像も見た方が、正確、もしくはあなたなりの解釈が得られると思います。
#しかし読みにくいなあ、あとで再構成します。
以下の記事を読んで、とりあえず参加申し込みメール。さっき行ってきました。
【おしらせ】津田さん・小寺さん・白田先生たちと明日記者会見を開きます - 半可思惟
http://d.hatena.ne.jp/inflorescencia/20071017/1192580979
MiAU(MIAU?)・・Movements for the Internet Active Users。インターネット先進ユーザーの会。
公式サイト http://miau.jp/
10:50 会場着。
会場は100人規模くらいの教室。
スクリーンを正面に、3つの座席が取り囲む構造、真ん中のブロックに主に記者の方々が集まる。
会場内は運営者側がたぶん全員スーツ、参加者側も8,9割がスーツ。
開始前に、白田氏が記者席に向かい、"あんまりツンツンしないでデレてくれ"といったような事を言う。
(予告が急だったし、もう少し猶予期間があればいろんな人が集まって雰囲気も違ったんだろうなあ)
11:00 開始のあいさつ(司会の女性)。
ほぼ http://miau.jp/1192640400.phtml に載っていることが説明される。
津田氏の話が始まる。前半は、ほぼ設立趣意通りなので省略。
将来的には任意団体から法人化もにらんでいる、とのこと。
第一期(200年10-12月)の活動は、パブリックコメントのMIAUとしての提出、及び意見提出支援活動の推進、消費者への啓蒙活動、構成利用できる範囲の拡大の4点。
当面の具体的な活動内容は4つ(配布物より引用)。
1.違法サイトからのコンテンツダウンロード違法化への反対意見表明
2.コピーワンス及びダビング10技術の採用に対する反対意見表明
3.著作権の保護期間延長に対する反対意見表明
4.上記1〜3に関するインターネットユーザーの意見表明の支援
個人的には、と前置きをされた上で、
iPodの登場や、新しいアーティストがYouTubeやMySpace上で活動しヒットのチャンスを手にする事例を出しつつ、
「新しいテクノロジーが古いメディアを駆逐し、新しいパラダイムを築くことは多々ある」
「革新にとって障害となっている物事を解決し、日本だけが世界に取り残されることのないようにしなければならない」
といったようなお話をされる。
11:20- 白田氏の話。
ここ最近の、「ネットでの声がまったく無視されながら、オフライン世界での政治のプロセスが動いている」"非民主主義な"状態に強い懸念をもち設立を決意。
もっとネット利用者が声を上げるべき、と思っていたがなかなか動きがないので、ついにご自身が動こう、ということになったとのこと。
「こうした方法でのアプローチは最初で最後だと思っている(これで失敗するなら別の方法を考えないと)」と、かなり決意が強いと感じた。
レッシグ氏の一節"もし君たちが、自分自身の自由のために戦うこともできないというのなら……君たちはその自由に値しない"を引用。
今の若者たち及び、続く世代に、"もっとこうやって前に出て活動してもよいんだ"というところを見せ、
例えこの取り組みがうまくいかなくても、次の取り組みがでてくるようにしたい、とのこと。"屍を乗り越えて"
また、「似たような組織がどんどん作られていけばよい」とした(後半の質疑応答部分で詳述)
ニコニコ動画RC2記者会見での西村氏の言葉、「圧力には、微笑みで」を良いなあと思った、とのこと。
最後に"別の話"としたうえで、大演説。
11:35- 小寺氏の話。
"コンテンツ立国"という日本のお題目と、個々の政策の相反する状況への懸念。
私的録音録画小委員会が設立当初課題として持っていた、"補償金制度廃止を含めた議論"が、
今年度結論は"ダウンロード違法化と著作権法30条の改正"にすり替わり、最初のテーマが先送りになったことを問題に挙げ、
「水道の蛇口を作ったはずなのに、蛇口をひねったらホカホカご飯が出てくるのはおかしい」とした。
また、結論の出てきた過程を知る上で重要な議事録が未だ公開されておらず、外部の者には事のあらましが把握できないと指摘。
MiAUの立ち位置は、テレビ局や機器メーカーと対立する立場にあらず。"WinWinの関係を目指す"
あえて"戦う"とするなら、悪法の法というべきもの。
11:47- 質疑応答
日本経済新聞社の方「今後の具体的活動について、パブコメ応募はいつまでにどのように行うか」
津田氏「締め切りまでにMIAUとしての意見を出し、同時にサイト上で今回の問題について解説などを行い、パブコメを出したいというユーザーをサポートしていきたい」
(もうひとつ質問していたが、うまく聞き取れなかった・・)
一般の方「匿名の意見をどうやってすくい上げるのか」
白田氏「周りの学生など、普段からアンテナを張ってある程度の情報は得ている。が、それに偏らず、広く意見を集める方法を今後模索していきたい」
もう一人、名前失念「著作権関連以外での、会の活動対象範囲は」
津田氏「まずは著作権に関する問題が危機的状況だったので緊急で立ち上げたため、当面はパブリックコメントなどに関する活動がメイン。今後は組織の規模を鑑みて、できることをできる範囲で行っていく」
Itmedia 岡田記者「1.反対意見表明の具体的方法はパブコメ以外に考えているか 2.ダビング10への具体的な異論(1回よりはマシという意見もあるが) 3.発起人はユーザーであると同時に著作権利者側でもある人が多いが、立ち位置をどうしていくか」
津田氏「1.について、パブコメメイン、ほかの方法も模索(ちょっとここ曖昧です、聞き漏らし)」
小寺氏「2.について、孫コピー不可の点、消費者が現状の機器からダビング10対応機器に変更するためのコストが未知数な点、さらにそもそも、今回の議論の経緯が不明瞭(議事録も出ていないし)である点」
[このあたり、各氏が送信可能化権、DRM、EPNなどについて、どういった運用が妥当かなど返答とともに語っていたが、筋とそれると思うので省略]
岡田記者(追加質問)「今後の活動は」
津田氏「オープンなトークイベントほか、色々な事をやっていきたい」
白田氏「将来的には、サイト上に問題に対するデータや解説を用意し(3分把握用、10分用、15分用、などレベルわけして)、ユーザーが十分な材料でもって判断し行動できるようにしたい。現状では情報が整理されておらず、大変わかりにくい(今回の私的録音関連問題など)」
白田氏「MIAUをユーザーを洗脳するような組織にはしたくない。MIAUにできる範囲はやる、それ以外は他の組織が誕生してやればいい。一つの党などに統一してしまうのは不気味だし、嫌であるが、他の団体と協力できる部分は協力していければ」
津田氏「他の国での著作権関連での動き(たとえばヨーロッパではテレビ放送がネットでも見られたり)なども紹介していきたい」
12:07- 閉会の挨拶 中川氏。
映画産業について(注:会場は映画専門大学院大学)語る。
「日本の映画産業は小さい産業で、毎年上位5%が5割の売り上げを占める。しかし、DVDなど周辺産業を含めると規模が大きくなる、つまりは変化していかないとヤバいのになかなか変化してこなかった業界。上位を除いた95%の秘める可能性が、今後もっと活きるようになればいい」
12:12 終了
雑感:今回の立ち上げは、発起人によっていろいろと考えがあるようだが、私的録音小委員会関連など、かなり危機感を感じて緊急に立ち上げた部分が大きいように感じた。
告知から発表まで時間がなかったのもそれが原因だろう。
発表前のはてブのコメントを見ると、「"先進的"はいらないだろう」といった意見もあるようだが、
(私もそう思う。Active UsersじゃなくてAll userでいいんじゃないか)
意見が違えば別の団体をどんどん立ち上げてしまえばいいのだ、と言いたいように聞こえた(特に白田氏)。