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赤福、売れ残りを再利用 餅とあんに分け、原材料に

2007年10月18日

 餅菓子の老舗(しにせ)「赤福」(三重県伊勢市)が製造日を偽造していた問題で、同社が、いったん店頭に並べて売れ残った商品についても回収し、餅とあんに分離したうえでその一部を原材料として再利用していたことが18日、わかった。農林水産省は19日、本社や大阪工場などに日本農林規格(JAS)法に基づく立ち入り検査を再び実施し、再利用の実態などを調べる。当初の調べに対し同社は「店頭に並べた商品は焼却処分しており、再利用していた事実はない」と説明していた。

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赤福の浜田典保社長(中央)は12日の記者会見で、店頭で売れ残った商品について、「すべて焼却している」と説明していた=三重県伊勢市の伊勢商工会議所で

 同省によると、店頭に並んだ商品を回収して、餅とあんに分け直して再利用する手法を社内では「むきあん」、「むき餅」と呼んでいたという。「むきあん」は関連する和菓子会社に売り、「むき餅」の一部を原材料として再利用していたという。売れ残りをそのまま冷凍に回した後で解凍、製造日と消費期限を刻印し直して販売もしていた。冷凍に回す手法は「まき直し」と呼ばれていたという。

 内部告発があった段階で、同省は売れ残り商品の再利用についての情報も得ていた。しかし、赤福側は「まき直し」は配送車に積み残った商品が対象だとして、店頭にいったん陳列した商品の再利用は強く否定していたという。同省はこの対応について、16日の調査を終えた時点で疑問視。売れ残り商品の再利用について文書で回答を求めたところ、18日夜になって同社から再利用を認める回答が届いた。

 同社の浜田典保社長は12日の会見で、冷凍保存して再出荷する行為について、「冷解凍工程も製造過程の一部という認識だった」と認識不足を強調。「衛生面、味に関しては全く遜色(そんしょく)がない」などと説明していた。

 売れ残った商品を再利用していたとなれば、JAS法上の消費期限についても違反にあたるほか、食品衛生法にも抵触する可能性が出てくる。

 19日の立ち入り検査には、同省のほか地元の保健所も立ち会い、食品衛生法上、再利用に問題がなかったかどうかなどについて、改めて従業員らから聞き取るほか、売れ残り商品を再利用していた期間や数量の特定を進める方針。

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