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大阪・替え玉変死:手配の中国人女性を東京で逮捕

大阪府警本部に入る尹麗娜容疑者=大阪市中央区で18日午前0時35分、西村剛撮影
大阪府警本部に入る尹麗娜容疑者=大阪市中央区で18日午前0時35分、西村剛撮影

 大阪市中央区の元鉄道公安官、加藤善一郎さん(当時77歳)が失跡後、加藤さんを名乗る別人2人が変死した替え玉事件で、大阪、石川両府県警合同捜査本部は17日、加藤さんの死亡を偽装して財産を奪うために、替え玉の近藤晃さん(当時69歳)を殺害したとして、殺人容疑で指名手配されていた加藤さんの戸籍上の妻で中国人の元スナック経営、尹麗娜(イン・リナ)容疑者(51)=東京都江東区北砂6=を都内で発見、逮捕した。加藤さんは現在も失跡したままで、一連の事件では、もう1人の替え玉の高木清さん(当時72歳)も遺体で見つかっており、捜査本部は財産目当ての連続殺人事件とみて尹容疑者を追及する。

 調べでは、尹容疑者は、加藤さんが戸籍上死亡したことにして財産を相続することを計画。重度の糖尿病だった知人の近藤さんを加藤さんの替え玉にして、大阪市西成区から石川県野々市町に転居させた。その後、薬を与えずに多量の食事を取らせるなどして病状を悪化させ、02年2月に死亡させた疑い。調べに対し「加藤さんの替え玉として近藤さんを石川に連れて行ったことなどは間違いないが、わざと近藤さんを死なせた覚えはない」と殺意を否認している。

 尹容疑者は同月16日、加藤さんが病死したとする虚偽の死亡届を野々市町役場に提出。加藤さんの親族が遺産相続を放棄したように装って大阪市西成区の土地などを相続したとする虚偽の登記をしたほか、加藤さんの預貯金約3000万円を遺産として相続していた。捜査本部は同年5月、虚偽の登記をしたとして公正証書原本不実記載容疑などで指名手配。その後、近藤さん殺害容疑が強まり、03年1月に殺人容疑に切り替えて国際手配していた。

 尹容疑者は大阪市西成区の公園などで高齢で病弱な男性を探しては、声をかけていたという。

 加藤さんは01年5月、尹容疑者と婚姻。同年10月末を最後に行方が分からなくなった。近藤さんと高木さんも同様の方法で知り合ったとみられる。高木さんは、加藤さん名義の健康保険証で西成区内の病院に入院するなどしていた。01年12月ごろに行方不明になり、02年4月と7月、大阪府岬町などでバラバラ遺体で見つかった。【隅俊之】

毎日新聞 2007年10月18日 3時00分 (最終更新時間 10月18日 20時02分)

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