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「重要行為であいまい供述」 光市検察側弁論要旨(7) (1/2ページ)
このニュースのトピックス:光市の母子殺害事件
▽(2)実況見分調書等に合わせた供述
本件犯行後に実施された実況見分では、被害者方居間のテーブルこたつの北東に座いすが倒れていたことが確認されている。しかし、被害者が被害直前に、座いすが倒れていた位置付近にいたとすると、被告人の上申書通りの行為が行われた場合、被害者はテーブルこたつの東側に頭部を南、足を北に向けて倒れたことになる。
ところが、テーブルこたつの南側のホットカーペットカバー上には染みが残されており、被害者が絶命したとき、その臀部がこの染みの付近にあったと認められるのであって、上申書に記載された犯行状況は、最高裁が指摘した通り、他の動かし難い証拠との整合性を無視したものといわざるを得ない結果となる。
これに対し、被告人は第2回公判において、被害者に抱き付く際の位置について、被害者がテーブルこたつの南側にいたと供述し、被害者の位置とホットカーペットの染みの位置は整合性を持たせている。そして、座いすがテーブルこたつの北東に倒れていたことについては、「後にテーブルこたつと座いすを僕が引きずって位置を改めているわけなんですけど」と供述してつじつまを合わせている。