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東海地震:5000年に4回「超巨大型」 産総研など調査

 東海地方で過去5000年間に計4回、国内最大級の地震とされる1707年の宝永地震=マグニチュード(M)8.6=を上回る地殻変動を引き起こした未知の巨大地震が起きていたことが、産業技術総合研究所などが中部電力浜岡原発近くで実施したボーリング調査で分かった。この地震は約1000年周期で起きている可能性があり、次の東海地震がこのタイプの地震となって、想定を大幅に上回る被害を出す危険性が浮上した。

 産総研の藤原治・活断層研究センター研究員によると、ボーリング調査は05~07年に実施。浜岡原発の東約2キロ付近の計8カ所で深さ十数メートルまで掘り、地下の堆積(たいせき)物の年代などを調べた。

 その結果、約4800年前に大地震が原因とみられる約6.5メートルの地盤の隆起があったことを確認。4000~3800年前にも約2.5メートル、約2400年前にも約3.1メートルの隆起があったことも分かった。さらに、年代は特定できていないものの、この後にも数メートル隆起があったという。

 宝永地震や1854年の安政東海地震(M8.4)では、地盤は1メートル前後しか隆起していない。このため、見つかった隆起を起こした地震は、国が想定している東海地震を大幅に上回り、これまで知られていないような巨大な規模だった可能性があるという。

 藤原研究員は「国の想定とは別タイプの東海地震が1000年周期で起きていると考えられる。今後は隆起量と地震の規模の関連を突き止めることが課題」と話す。

 東海地震に詳しい神戸大の石橋克彦教授(地震学)は「今回見つかった『超東海地震』は、従来の想定より大きな地震であることはほぼ確実。発生間隔から次の東海地震がこの規模になる可能性もあり、備えが必要だ」と指摘している。【関東晋慈】

毎日新聞 2007年10月18日 13時15分 (最終更新時間 10月18日 16時04分)

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