有料リンクは是か非か? find-jobとかエンジャパンとかネタフルとかまぐまぐとかウノウラボとか
有料リンクってどうなのよ?という、SEOにまつわる最近ホットな話。 結論から先に言うと、リンクを売るのも買うのも、やめておいたほうがいい。 あくまでも個人的意見だけど。
まず、そもそも「有料リンク」の定義があいまいではあるのだが、筆者の理解する限りは次のようなものである。
- リンクを張って欲しいサイトの中の人=主に商用の大手サイトの運営者=が、リンクを張ってくれる人=そこそこ人気のブログサイト等の持ち主=に対して「うちのサイトにリンクを張ってください」と頼む。(逆方向ももちろんある)
- そのときに金銭的な契約がもちろんある。月額いくら、とか。
- ブローカー(主に中小の広告代理店)が介在している場合も多い
っていうだけではこれまでにもよくある普通のネット広告である。ここで言う有料リンクとは、さらに次のような要素がある。
- バナー画像は使わず、基本的に文字だけ。
- 普通のネット広告システムだと、リンク先となるURLは広告主の目的のサイトへの直リンクではなく、広告代理店あるいは自社システムによる露出数/クリック数測定システムのURLを設定するのが一般的。
- しかしここでいう有料リンクはそうではない。<a href="広告主のサイトのURL">広告主でっす!</a> というようなごくごく単純なアンカーリンクのみで構成される
- 要するに、人間による直接クリックを期待するためのものではなく、検索エンジンがそれを「被リンク」とみなしてくれることを期待するためのものである。結果としてリンク先=広告主のサイト=の検索結果順位が上がる。
- 例えば、<a href="http://www.example.com/">転職</a>という形のリンクがあちこちのドメインから張られていれば張られているほど、検索エンジンは「それは転職というキーワードに関連するサイトであり、かつ、人気があって良質なサイトだ」と判断し、転職というキーワードで検索されたときの検索結果の順位の上の方にhttp://www.example.com/を押し上げる効果がある。
まだイメージがつかないという方は、たとえば Yahoo!検索 - link:http://www.find-job.net/ (2007/10現在の画像こちら) こんなふうに検索してみた結果出たサイトを上から20個ばかしそれぞれアクセスしてみよう。 ある程度目の利く人であれば何が起きているのか気がつくだろう。 「有料リンク」と従来の「バナー広告」の違いもわかってくるはずだ。
さらに図入りで説明。例えばネタフル というサイトがある。そのトップページはもちろん他のほぼ全てのページ上にも、次のような広告が掲載されている。
赤でマルをした部分は、たとえば次のようなアンカーリンクになっている。
<a href="http://www.find-job.net/tenshoku/" target="_blank">転職</a>
同様にウノウラボ Unoh Labsにおいてもトップだけでなくほぼすべてのページに某求人情報サイトへのテキストリンクが張られている。
ネタフルもウノウラボも両方ともテキストリンクだけでなく画像バナーもあり、そのリンク先は http://www.find-job.net/my/re.cgi?(あとはサイト毎に違うパラメータ)になっている。そこを踏むとリダイレクトされて最終的にhttp://www.find-job.net/にジャンプする。ごく一般的なクリック観測システムである。普通のテキストのアンカーリンクにはそのシステムを挟まないのは、何かうしろめたいこ(以下自粛)。
ちなみに、F's Garageというサイトでは全てのページの最上部にネタフル等と同様のテキストリンクがあるのみである。画像バナーなしのパターンもあるようだ。
まぐまぐもかなり手広くて、たとえば水彩画に関するとあるメールマガジンのバックナンバーのページにもこんなのがある。
赤丸の部分がそう。ソースは次のようになっている。
<a href="http://employment.en-japan.com/" target="_blank">転職</a>
/ <a href="http://consultant.en-japan.com/" target="_blank">転職サイト</a>
/ <a href="http://haken.en-japan.com/" target="_blank">派遣</a>
/ <a href="http://honkibaito.en-japan.com/" target="_blank">アルバイト</a>
/ <a href="http://gakusei.enjapan.com/" target="_blank">就職</a>
水彩画と転職サイトとがどう関係あるのやら。 その上の部分はovertureが出している自動コンテンツマッチ型広告である。水彩画との関連性を察知して書画商品に関連する広告が自動表示されているのに比べるとそのコントラストが少し笑える。 当然ながら、まぐまぐで発行されるほぼ全てのメールマガジンのバックナンバーページについて同様に有料リンク(と強く疑われるもの)が表示されるようになっている。
ともあれ、これらはすべて「検索」がWebサイトの集客に大きく影響してしまうという時代背景に生まれた新手の広告手法である。もちろん問題もあり、検索エンジンを提供する側は頭を痛め、対策を急いでいる。
- MarkeZine:◎第3回 バナーのリンクは価値がない? 役に立つリンクと役に立たないリンク (MarkeZine 2006/8)
- 使えば疑われ、使わなきゃ損する。それが有料リンクのジレンマ (Web担当者Forum 2007/7)
- 「有料リンクは是か非か」GoogleのMatt Cutts氏も盛り上がったSES San Jose 2007 (Web担当者Forum 2007/9)
中でも筆者はこのニュースに注目したい。
グーグル、SEO"有料リンク"対策に新ポリシー - 販売サイト側へのペナルティ発動へ (渡辺隆広のサーチエンジン情報館 - CNET Japan 2007/10)
(中略) Googleもこれまでの対策が全く意味ないことは理解していたのだろう。今回、新たなポリシーを公開した。それが「リンク販売側」に対するペナルティだ。 Search Engine Landの記事Official: Selling Paid Links Can Hurt Your PageRank Or Rankings On Googleで明らかになっている点は次の通りだ。(途中省略)
- 新たなポリシーとして、サイト販売側に対するペナルティを課す
- 具体的には、販売サイトの削除、またはPageRankスコアの低下
- 無差別にリンクを販売していたThe Stanford DailyのPageRankスコアは、9から7に下がった
- PageRankスコアの低下は完全にアルゴリズムで行っているのではなく人間の審査を入れている
ちなみに日本の場合、単純なものが多いので今回の新ポリシーが日本でも適用されると結構な数のサイトのPageRankが下がると予想される。リンク仕入れ元として使えなくなるサイトの種類によっては、いままで強固にキーワードで上位を固めていたサイトが突然急降下するかもしれないし、成果報酬型SEO サービス提供事業者の中にも困ってしまう会社が出てくるかも知れない。
遅かれ早かれ、検索エンジン側はそういう動きに出るだろうとは思っていたが、思ったより早かった。
なお、この「ネタ帳」では、従来型の画像によるバナー広告なら歓迎だし実際過去に掲載したこともある。もちろんGogleアドセンスなども。有料リンクの掲載をもちかけられたことがあるかどうかについてはノーコメント(笑)。ただ、もしももちかけられたとしても、きっと断っていただろう。
Google神!Matt Cuttsがやるなということはやるな!と妄信してそうしようというわけではない。現状のwebによくない影響を与えるかもしれない事柄に金銭目的で積極的に加担するのは、Webで飯食ってる者としてあまり気が進まないという理由である。
検索エンジン会社の中の人の手による審査といっても限界があるし、それこそ単なる「リンク集のページ」のような罪もなさそうなページとの区別をどうするかという問題もある。なによりも、「故意にリンク貼ったくらいでその意図どおりに検索結果順位が変動しちゃうくらいなら、そんな仕組みになっている今の検索エンジンのほうがショボイだけの話じゃないか」という意見には一理ある。
ただ、自分がどう考えようともどう開き直ろうとも、実際にペナルティを食らって自分のサイトが検索にひっかからなくなったとき、困るのは結局自分である。悲しいけどコレ現実。それこそ、サイバーエージェント、Googleの逆鱗に触れてインデックスより削除 (2006/3) みたいなことになってから大慌てというのも醜態というものだ。
サイバーエージェントの件のときはサイバー側でコンテンツを修正することで数日程度で対処できたらしいが、今回は広く浅いリンクネットワークの構築という手口である。コンテンツを管理する利害関係者が多すぎる。ペナルティを食らったら最後、修復には相当な時間と手間がかかってしまうかもしれない。
なお、Googleでは従来からある検索エンジンスパム報告フォームのほかに、有料リンクを報告するための専用フォームも別途設けられている。
さあ、ライバルのサイトを報(以下自粛)
探し方は、たとえば こういうふうに「link:リンクを買う側かもなあと思うサイト」という特殊検索をするだけ。 特殊コマンドの使い方はyahooのヘルプにもある。see also:
- ウェブマスター向けヘルプ センター - 有料リンクを Google に報告する必要があるのはなぜですか。
- デジタルスタジオ、有料リンク売買仲介サービスを終了 (SEM Research 2007.10)