県周産期・小児科医療協議会小児医療部会は16日、今年度初めての部会を開き、今後の県の小児医療のあり方について5年後をめどに各地域に拠点的な役割を果たす病院を整備する「重点化」を進める方針を決めた。医師不足に対応するため拠点病院に医師を集める「集約化」については「小児科の診療所が多数あり、住民も身近な地域に病院があることを望んでいる」として行わないことを確認した。
県の06年の調査では、県内の医療機関に勤務する小児科の常勤医は296人。そのうち183人(61・8%)が仙台に集中している。また、1病院当たりの小児科医の数が4人以上なのは仙台(5・7人)と石巻(4人)だけで、残りの地域はすべて2人以下だった。
拠点病院は、24時間体制で救急患者に対応できる高度な専門医療設備・人材を備えた病院で、県北では大崎市民病院、石巻地域では石巻赤十字病院、県南では公立刈田総合病院か県南中核病院のいずれかとする方針。仙台では、現在平日夜間の急患を仙台市立病院のみが受け入れているが、1~2年以内に仙台医療センターや県立こども病院でも受け入れることを検討している。【山寺香】
毎日新聞 2007年10月18日