干ばつなど異常気象による減産やエネルギー価格の高騰が原因で、世界の穀物価格が急騰していることが国連食糧農業機関(FAO)の18日までの調査で分かった。小麦価格は9月に過去最高値を記録。トウモロコシもバイオ燃料向けの需要増が原因で高値で推移し、世界の穀物備蓄量は最低レベルにまで落ち込んだ。
地球温暖化との関連が指摘される異常気象や、温暖化対策としてのバイオ燃料開発が、世界の食料事情に大きな影響を与え始めたことを示している。
貧困層が多い発展途上国への影響は特に大きく、FAOは「多くの国で食品価格が高騰し、貧しい途上国では社会不安を招いている」と警告している。
調査によると、コメを含めた世界の主要穀物価格は今年、過去最高レベルで推移。5月に1トン当たり約200ドルだった小麦価格は、9月に同350ドル近くにまでなった。
人口増などで需要は増加傾向だが、オーストラリアの干ばつなど異常気象が原因で収量が増えない上、原油価格の高騰で輸送コストも上昇しているのが主な原因という。